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初めての方・ボウルをお持ちでない方も大丈夫です。
こんにちは。
鍼灸指圧師・東洋医学の叡智を届けるセラピスト、fucoです。
今年も、滝浴びに行ってきました。
以前こちらのブログに書いています。
昨年、
初めて滝に打たれたときは、
とにかく呼吸をすることで精一杯でした。
それでも、
終わったあとの何ともいえない爽快感が忘れられず、
「もう一度、滝に打たれたい」と思っていました。
そして今年。
その願いが叶い、
7月、
さらに8月と、
二度滝浴びに参加してきました。
結果からいうと、
三度目となった今回、
初めて
「滝に打たれている最中に気持ちいい」と
感じることができました。
でも、
そこへ至るまでには、
相変わらず盛大な葛藤がありました。
行きたいはずなのに、滝を前にすると怖くなる
7月後半、
とても暑い日でした。
これなら滝に打たれるにはうってつけ。
念願叶って今年も来られたことが嬉しくて、
もちろん自分から参加しています。
ところが、
いざ滝を間近で見ると、
身体はまったく別の反応を始めました。
「また息ができなくなったらどうしよう」
いやいや、昨年だってちゃんと呼吸はしていました。
「また頭が痛くなったらどうしよう」
それも、
しばらくすれば治まった頭痛です。
さらに、
「私、帰りにちゃんと運転できるのかしら」と、
まだ起きてもいないことまで心配し始めました。
心臓は跳ね上がり、
側頭部と胸郭がぎゅうっと締め付けられるような感じがして、
みぞおちはずしりと重くなる。
しまいには膝まで震えてきます。
頭では「大丈夫」と分かっているのに、
身体は怖がっている。
このとき改めて、
恐怖や不安というものは、
頭の中だけで起こるものではないのだと感じました。
いちばん怖いのは、滝に入るまでだった
何度も深呼吸をして、
持参したシンギングボウルを鳴らしながら気持ちを静めました。
そして、
ご神体である滝に「全部を委ねよう」と決めて、
水の中へ入りました。
不思議なことに、
本当に怖かったのは、
滝の下へ入るまででした。
滝に打たれてしまうと、
先ほどまであれほど騒がしかった頭の中が静かになり、
真言を唱えることができました。
その日は、
一度目はご挨拶。
二度目はしっかりと滝に打たれ、
三度目はお礼の気持ちを込めて入りました。
そして三度目には、
シンギングボウルを持って滝の下へ。
ところが、
ボウルの中にどんどん水が入ってきます。
重いし、
叩けない。
そして当然、
音も鳴らない(笑)。
滝に打たれながら
「これは失敗したなあ」と
思っている自分に気づき、
同時に少しうれしくなりました。
昨年は呼吸することだけで精一杯だったのに、
今年はこんなことを考える余裕がある。
それもまた、小さな進化でした。
怖さがなくなることと、進むことは違う
7月の滝浴びでは、
昨年より頭痛もかなり軽くなっていました。
特に最後に入ったときは、
滝を出たあとに感じた頭の痛みも、
ほんの一瞬で治まりました。
だからといって、
「もう滝は怖くない」となったわけではありません。
8月初旬、
三度目となる滝浴びに参加したときも、
滝つぼを前にすると、
やはり強い恐怖心が湧いてきました。
「私は、いったい何でここにいるんだろう」
自分で申し込んで、
自分でここまで来ているのに、
そんなことを本気で考えます。
怖さが消えてから進めるのではなく、
怖いままでも入っていく。
今回の滝浴びで、
私がいちばん感じたのは、
このことだったのかもしれません。
身体の反応を無視して強引に進むのではなく、
「怖いね」と分かったうえで呼吸をし、
自分の状態を確かめ、
それでも今なら行けると思ったところで一歩を出す。
私にとっては、
恐怖心を克服することより、
その過程のほうがずっと大切でした。
三度目で初めて、滝の中で「気持ちいい」と思えた
そして滝の下に入ったとき、
これまでとは少し違う感覚がありました。
初めて、
滝に打たれているその最中に「気持ちいい」と感じたのです。
これまでも終わったあとは、
とてもすっきりしました。
全身に強い水を受け、
無事に出てきたあとの爽快感は、
日常ではなかなか味わえないものです。
けれど今回は、
「終わったから気持ちいい」ではなく、
滝の中にいる時間そのものを感じる余裕がありました。
身体に当たる水、
ものすごい水音、
息を吸って吐いている自分。
その全部を一度に感じながら、
「私は今、ここにいる」と思いました。
昨年は、
生きるため、
呼吸を続けるために必死で唱えていた真言も、
今回は滝に身を委ねるために唱えられたような気がします。
同じ場所で同じように滝に打たれても、
自分の身体や心の状態が違えば、
受け取るものもこれほど違うのだと思いました。
今度こそ、シンギングボウルを鳴らしたい
そして今回も、
その日の三度目はシンギングボウルと一緒に滝の下へ入りました。
7月の失敗を繰り返さないよう、
どう持てばボウルに水が入らないのか、
事前に何度もイメージしていました。
滝の下で腕をまっすぐ伸ばし、
水が入らないようにボウルを持つ。
そして唱える真言に合わせて、
ボウルを鳴らしました。
滝の轟音の中で、
確かにボウルの音が聞こえました。
一緒に参加した仲間には、
あとから「滝の水音がすごくてボウルは聞こえなかった」と言われました。
でも、私の耳にはしっかり届いていました。
水の轟音と、ボウルの響き。
あのとき私が聞いた音は、きっと一生忘れないと思います。
滝の中で浮かんできた「ありがたい」
ボウルを鳴らしながら、
突然「ありがたいな」という言葉が浮かんできました。
頭で考えて選んだ言葉ではありませんでした。
こうしてここに来られたこと。
身体が動くこと。
水を浴び、
呼吸ができること。
怖がりながらも滝の下まで歩いてこられたこと。
そして、
誰かと一緒にこの時間を過ごせること。
普段は、
あることが当たり前になっているものばかりです。
けれど滝の中では、
その一つひとつが決して当たり前ではないように感じました。
「有ることが難しい」から、ありがたい。
そんな言葉を、
頭ではなく身体ごと受け取ったような時間でした。
そして今回は、
不思議なくらい頭痛もほとんどありませんでした。
手放す音と、受け取る音
無事に滝浴びを終えたあと、
ご神体である滝に向かって、
お礼の気持ちでシンギングボウルを奏でました。
そこで、また不思議なことがありました。
私が「手放す」と感じている音は、
とてもよく響くのに、
「受け取る」と感じている音は、
なぜかうまく鳴りません。
もちろん、
これは私自身の感覚です。
湿度や持ち方、
ボウルの状態など、
音の鳴り方にはいろいろな要素があるでしょう。
それでも、
滝行が「禊」といわれることと何か重なるようで、
少し不思議な気持ちが残りました。
今の私は、
受け取ることより先に、
まだ手放したいものがあるのだろうか。
そんなことを考えながら帰り支度を始めたときでした。
自然が見せてくれた、ほんの一瞬の景色
滝から上がる細かな水しぶきに、
木漏れ日から差し込む光が当たり、
目の前がキラキラと輝き始めました。
水と光だけでつくられた、
ほんの一瞬の景色です。
私には、
その水しぶきが龍の吐息のようにも見えました。
特別な何かを見た、
と言いたいわけではありません。
自然の条件が偶然重なって生まれた光景なのでしょう。
それでも、
その場にいて、
その瞬間を見ることができたことが、
ただ嬉しかった。
ここでもまた、
浮かんできた言葉は同じでした。
「ありがたいなあ」
滝に入る前には、
あれほど怖くて膝まで震えていたのに。
面白いものです。
身体は、同じ体験を同じようには受け取らない
昨年、
今年7月、
そして8月。
同じように滝に打たれているようで、
私の身体が受け取ったものは毎回違いました。
一度目は、
呼吸することで精一杯。
二度目は、
怖さはありながらも少し周りを見る余裕が生まれ、
そして三度目には、
滝の中で「気持ちいい」と感じ、
音を聞き、「ありがたい」という感覚まで受け取ることができました。
怖さそのものは、三度目になってもなくなっていません。
それでも、
怖さを感じたときに自分の身体がどうなるのかを、
以前より少し分かるようになりました。
胸が締まり、
みぞおちが重くなり、
膝が震える。
そんな身体の反応を感じながらも、
呼吸をして、
その場にいることができるようになったのだと思います。
怖くなくなったからできたのではなく、
怖さがあるままでも、
少しずつその先を感じられるようになった。
同じ場所で、
同じ滝に打たれても、
身体は毎回同じではありません。
だから今年の私は、
昨年には感じられなかった
「気持ちいい」や
「ありがたい」を受け取れたのかもしれません。
滝浴びを終えたあとは、
お楽しみのブルーベリー狩りへ。
怖がり、
震え、
滝に打たれ、
ありがたがり、
最後はブルーベリーを頬張る。
今年も、
なんとも私らしい一日になりました。
来年もきっと、
滝を目の前にして「怖い」と言っている気がします。
それでもまた、
滝に打たれたいと思っています。
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