皆さんからの問い合わせの多い、「捻挫」に関する処置について私なりの意見や方法を書きたいと思います。

 

周囲の期待になんとか応えたい。その気持ちだけはあるのに捻挫をしてからもう何ヶ月も治っていない。普通に歩いているだけでも違和感が残っていて、思いっきり練習をしたくても常に足首に不安がある。休むと周りに置いて行かれるから痛くてもプレーをしている。

 
のような状態ではないでしょうか?

 

目指している大会も迫っていて、自分が必要とされている状況なら、なおさら焦る気持ちや期待に応えられない自分への不甲斐なさも感じているかもしれません。

ですが、捻挫で大切なのはいかに最初の段階で適切な処置をするかと再発をさせないことが鍵となります。
 

 

まず、捻挫についてきちんと解説しておきましょう。

 

捻挫とは、と骨を繋ぐ可動部関節周辺部位の損傷、また関節を包む関節包や骨と骨を繋ぐ靭帯及び軟部組織(内臓・骨以外の総称)を損傷した状態を指します。患部には炎症による腫れや内出血などが起こります。

 
 
この骨と骨を繋ぐというところが大きなポイントとなります。
 
 
私たちの関節を繋いでいる組織は、基本的には靭帯と筋肉の二つがメインになります。
靭帯(ligament)は、強靭な結合組織の短い束で、と骨を繋ぎ関節を形作る。主成分は長いコラーゲン線維である。
靭帯の一番大切な働きは、関節が動ける範囲を超えて曲がりすぎたり、伸ばされすぎたりしないように制限をかけ、安定させることです。
 

 

 
関節に許容範囲を超えた動きが与えられた為におきる損傷としてもうひとつ、脱臼亜脱臼があります。
こちらは、周りの筋肉や靭帯をもってしてもその勢いを殺しきれずに、関節から逸脱してしまった状態になりますので、もちろん筋肉や靭帯にもそれなりのダメージ(損傷)が起こっているわけです。
 
 
 
 
 
日本のサッカー界(スポーツ界)は捻挫を甘く見すぎている!!
 
これは、あくまで私個人の感覚ですが、サッカー界では
 捻挫=単に捻っただけでしょ?大丈夫!できる! みたいな印象をとても強く受けます。
 
ですが、足首の捻挫の正式な病名は「靭帯損傷」になります。
つまり、単に捻っただけではなく靭帯が傷ついているのです。
 
この部分の認識の甘さなどが、痛くなくなったからすぐに復帰して、また捻ってを繰り返して、
捻挫が癖になっちゃいました、復帰してからなかなか痛みが取れないんです。のような結果を生んでいるわけです。
 
捻挫の重症度と回復までの目安は靭帯の断裂具合で分かれます。
 

 

この表を見てわかる通り、軽症の場合でも5日くらいはきちんと休む必要があるのですが、サッカー界では一日様子を見て復帰をすることも非常に多いです。
傷ついた組織を治すにはきちんとそれなりの期間が必要なのです。
気持ちでうんぬんの話ではないのです!!
 
 
 
では、ここからは最も多い「内反捻挫」の応急処置などについてかいていこうと思います。
 
 
                    
 
 
 
まず、ケガをした際に皆さんが行うのが「RICE処置」だと思います。
 
 
ですが、捻挫の際のRICE処置の優先度を間違って認識している人が大変多くいるように感じます。
 
私も、接骨院や整形外科での勤務時や現場でトレーナーとして働いている経験から申しますと、
皆さんRICE処置のうち、
「アイシングだけやってきました!!」
とおっしゃて病院、私のもとに来院される方が9割以上です。
それ以外は?と聞くと、なんにもやってません!もしくは、えっ!?アイシングしたから十分でしょ!というようなかたもチラホラいらっしゃいます、、、
 
ですが、捻挫の処置で最も重要なのはアイシングではありません。
アイシングをして患部が治っているわけではありません、、、、
アイシングの効果や弊害についてはまた別の記事にしたいと思います。
 
 
 
 
捻挫の処置で大切なのはRICE処置のどれなのか?
 
私の中では、Compression(圧迫)と固定を重要視しています。
 
皆さん、捻挫をした後にちゃんと圧迫を行っていますでしょうか?
病院(治療院)から家に帰るまでの間だけはしているけど、家に着いたとたんに外したり、緩めている人も多いのではないでしょうか?
とりあえず、寝るときは足を心臓よりも高く上げて寝る、またはアイシングだけで特に他のことなんてしていないという人もいるとは思います、、、
 
 
 

 

なぜ圧迫と固定が大切なのか?
 
ケガの患部をそれ以上悪化させないことがケガを早く治すうえで最も重要となります!!
何を当たり前のことを言っているんだと?と感じたこともいると思いますが、これができていないから復帰に時間がかかったりするのです。
早期復帰が必要な場合こそこの部分をするかしないで大きな差となります。
 
その患部を悪化をさせる最も大きな原因が、患部が腫れることです。
つまり、いかにそれ以上腫れさせないかが治療のキーポイントになるのです。
腫れることで、患部に再び炎症反応が起こりまた痛みもでますし、治りも遅くなるのです。
 
下記のようなものは、自分でも圧迫をかけやすいのでおすすめです。
現場でも多く使われています。
 
また固定に関しては、できることならきちんとした装具をおすすめします。
 
 
 
 
写真をごらんになっていただくとお分かりになるであろう立派な装具。
ネイマール選手の場合は、第5中足骨の骨折なので、捻挫よりもきちんとした固定が必要になるので少し大げさにはなっておりますが、、、
 
ですが、イギリスの場合は病院ではたいていこのようなきちんとした装具処方されていました。
クラブにも似たような装具(足関節、膝関節)が、トレーナールームにも置かれていましたし。
 
ですが、日本の場合は伸縮性のあるゴムバンドみたいなものが処方されるだけが多いですよね、、、(笑)
あんな弱いのは正直ほとんど意味はないと思います。
 
 
固定が大切な理由は、緩い固定だと足首が底屈位(つま先が地面に近くなる動き)になることで損傷した靭帯の部位が伸ばされるからです。
伸びたらまた傷が広がり、治りがおそくなりますのできちんとした固定も非常に大切です。
 
稀にいるのですが、自宅などで何かの拍子にうっかり患部を再び捻ったなどもきちんとした装具をつけていれば防げますので。
意外と多いんですよ(笑)


 
また、コラーゲンやタンパク質を含んだ料理などをきちんと摂取することでも回復を促進することもできますので、摂取をおすすめします。
 


次回は、ケガをした直後から行えるリハビリなどをご紹介したいと思いますのでしばしお待ちください。