名古屋市天白区にあるPhysio Conditioning Lab.(フィジオコンディショニングラボ)|パーソナルトレーニング×ピラティス&ボディメンテナンス 理学療法士トレーナーの柴田です。
はじめに
「姿勢を良くしようと思って背筋を伸ばしているのに、肩や腰が痛くなる」
「猫背を直そうとしているけど、すぐに疲れてしまう」
「良い姿勢を意識しているほど、身体がガチガチになる」
このような経験はありませんか?
姿勢改善というと、
「背筋を伸ばす」
「胸を張る」
「お腹に力を入れる」
「顎を引く」
という方法を思い浮かべる方が多いと思います。
もちろん、これらが必要な場合もあります。
しかし、姿勢を良くしようと頑張りすぎることで、逆に身体が疲れたり、肩こりや腰痛につながったりする人もいます。
理学療法士として多くの身体を見ていると、
「姿勢が悪いこと」よりも、「良い姿勢を無理に作り続けていること」が問題になっているケース
もあります。
今回は、良い姿勢を作ろうとして逆に身体を悪くしてしまう人の特徴と、本当に大切な姿勢改善の考え方について解説します。
「良い姿勢=まっすぐ」は大きな誤解
まず知っておきたいのは、
良い姿勢とは、身体を一直線に固めることではありません。
人間の身体には、背骨の自然なカーブがあります。
首の部分は前にカーブし、胸の部分は後ろにカーブし、腰の部分は再び前にカーブしています。
そのため、
「背骨を完全にまっすぐにする」
ことが正しい姿勢ではありません。
むしろ、自然な背骨のカーブを無理に消そうとすると、身体に余計な力が入ることがあります。
姿勢改善で重要なのは、
「形を固定すること」ではなく、「必要に応じて姿勢を変えられること」
です。
特徴①「胸を張れば姿勢が良くなる」と思っている
猫背を気にしている人に非常に多いのが、
「胸を張る」
という方法です。
鏡を見ると背中が丸く見える。
↓
胸を張る。
↓
一見、姿勢が良くなる。
これは一見正しいように見えます。
しかし、胸を張ることを意識しすぎると、
腰を反る。
肋骨が前に開く。
肩に力が入る。
首が前に出る。
といった代償動作が出ることがあります。
つまり、
「猫背を直したつもりが、腰を反っているだけ」
という状態です。
特徴②「お腹にずっと力を入れている」
姿勢改善のために、
「お腹をへこませる」
「体幹に力を入れる」
という方法を実践している人もいます。
これも一時的に姿勢を安定させるためには役立つ場合があります。
しかし、
一日中お腹を固めている必要はありません。
歩く。
座る。
立つ。
呼吸する。
物を持つ。
階段を上る。
こうした動作では、身体は状況に応じて力の入れ方を変えています。
常に腹筋を緊張させていると、呼吸がしにくくなったり、身体の動きが硬くなったりすることがあります。
重要なのは、
「体幹を固め続けること」ではなく、「必要なときに体幹を使えること」
です。
特徴③「正しい姿勢を一日中キープしようとする」
これも非常に多いパターンです。
「姿勢が悪くならないように背筋を伸ばしておこう」
と考え、同じ姿勢を長時間維持します。
しかし、どんなに理想的な姿勢でも、
同じ姿勢を長時間続ければ身体には負担がかかります。
例えばデスクワーク中に、
「絶対に背中を丸めない」
と頑張り続けるよりも、
時々立ち上がる。
歩く。
身体を伸ばす。
座り方を変える。
肩や首を動かす。
というように、身体を動かす方が重要な場合があります。
つまり、
「正しい姿勢を維持する能力」より、「姿勢を変える能力」も重要
なのです。
特徴④「顎を引けばストレートネックが治ると思っている」
「スマホ首」「ストレートネック」が気になり、
「顎を引く」
ことを意識している人もいます。
しかし、顎だけを強く引けば良いわけではありません。
胸郭の位置。
胸椎の動き。
肩甲骨。
首の動き。
視線。
座り方。
など、さまざまな要素が関係しています。
顎を引くことだけを意識すると、
「二重顎になるくらい首を引く」
「首の後ろを固める」
という状態になることもあります。
姿勢は一つの関節だけで作るものではありません。
特徴⑤「骨盤を正しい位置に固定しようとする」
「骨盤が前傾している」
「骨盤が後傾している」
と言われて、
骨盤を常にニュートラルにしようとする人もいます。
しかし、骨盤は本来、
前に傾く。
後ろに傾く。
左右に動く。
歩行中に回旋する。
など、さまざまな動きをします。
つまり、
「骨盤を正しい位置に固定する」ことが目的ではありません。
必要なときに必要な方向へ動かせることが重要です。
特徴⑥「筋肉の柔軟性だけで姿勢を変えようとする」
姿勢改善というと、
「身体が硬いからストレッチしよう」
と考える人も多いでしょう。
しかし、姿勢が崩れている原因がすべて柔軟性の問題とは限りません。
例えば、
筋力。
関節の可動性。
バランス能力。
身体のコントロール。
呼吸。
視覚。
運動習慣。
生活環境。
なども関係します。
そのため、
「硬いから伸ばす」だけでは姿勢改善が十分ではない場合があります。
特徴⑦「筋トレをすれば姿勢が良くなると思っている」
筋力トレーニングは姿勢改善に役立つ場合があります。
しかし、
「背中の筋肉を鍛えれば猫背が治る」
「腹筋を鍛えれば反り腰が治る」
というほど単純ではありません。
重要なのは、
筋力があるかだけではなく、その筋力を適切なタイミングで使えるか
です。
例えば、背筋が強くても、
「必要以上に腰を反ってしまう」
のであれば、単純に背筋を強くすることが最適とは限りません。
姿勢改善で本当に大切なのは「動ける身体」
では、どんな姿勢が良いのでしょうか?
私は、
「その人が楽に呼吸でき、必要な動作を無理なく行えて、さまざまな姿勢に変えられる状態」
が重要だと考えています。
例えば、
立つ。
座る。
歩く。
しゃがむ。
腕を上げる。
身体をひねる。
前屈する。
後ろに反る。
こうした動作を必要に応じて行えること。
つまり、
良い姿勢とは「一つの形」ではなく、「身体を自由に使える状態」
と考える方が、本来の身体の機能に近いのです。
「姿勢を良くする」のではなく「姿勢を変えられるようにする」
これは姿勢改善で非常に重要な考え方です。
例えばデスクワークで猫背になったとしても、
その後に身体を起こせる。
胸郭を動かせる。
肩甲骨を動かせる。
歩ける。
身体を伸ばせる。
のであれば、一つの姿勢に固定されているわけではありません。
反対に、
「常に背筋を伸ばしている」
けれど、
身体を動かすと痛い。
すぐ疲れる。
呼吸が浅い。
肩に力が入る。
というのであれば、それは必ずしも良い状態とは言えません。
姿勢改善では「楽にできるか?」を確認する
姿勢を変えたときに、
「見た目が良くなったか?」
だけではなく、
「その姿勢を楽に保てるか?」
を確認してみてください。
例えば、
胸を張る。
↓
見た目はきれい。
↓
でも腰が痛い。
↓
呼吸がしにくい。
↓
肩が疲れる。
この場合、その姿勢を無理に続ける必要はありません。
本当に身体に合った姿勢なら、
過剰に力を入れなくても維持できること
が重要です。
姿勢改善には「呼吸」も重要
姿勢を考えるときに見落とされやすいのが呼吸です。
呼吸は、胸郭や肋骨の動きと関係しています。
例えば、
胸を張りすぎる。
↓
肋骨が前に開く。
↓
呼吸がしにくい。
↓
首や肩周囲の筋肉を使いやすくなる。
ということがあります。
そのため、
「良い姿勢を作る」
だけではなく、
「その姿勢で自然に呼吸できるか?」
を見ることも重要です。
姿勢改善には「体幹の強さ」だけではなく「体幹のコントロール」が必要
体幹トレーニングをしているのに姿勢が改善しない人もいます。
その理由の一つが、
筋力と身体のコントロールは別物だからです。
例えば、プランクを60秒できる人でも、
歩く。
片脚で立つ。
腕を上げる。
しゃがむ。
といった動作で体幹を適切に使えるとは限りません。
姿勢改善では、
静止した状態の筋力だけでなく、動いているときの身体のコントロール
も重要です。
ピラティスが姿勢改善に活用される理由
ピラティスでは、
呼吸。
脊柱。
骨盤。
胸郭。
肩甲骨。
股関節。
体幹。
などを意識しながら身体を動かすことがあります。
そのため、
「正しい姿勢を固定する」
というより、
「身体をコントロールしながら動く」
という練習に活用できます。
姿勢改善において重要なのは、鏡の前で姿勢を作ることだけではありません。
自分の身体を思い通りに動かせるようになること
も大切です。
良い姿勢を作ろうとして逆に悪くなる人の共通点
ここまでの内容をまとめると、次のような人は注意が必要です。
①胸を張りすぎる
②お腹に常に力を入れている
③顎を強く引き続ける
④骨盤を一つの位置に固定する
⑤正しい姿勢を長時間維持しようとする
⑥身体の硬さだけを問題にする
⑦筋トレだけで姿勢を変えようとする
⑧「姿勢が悪い=悪い身体」と考えている
⑨姿勢を変えると痛みや疲労が出る
⑩見た目だけを基準に姿勢を判断する
これらに当てはまる人は、
「姿勢を良くする努力が足りない」
のではなく、
「姿勢改善の方向性を少し変えた方がいい」
可能性があります。
よくある質問(FAQ)
Q. 良い姿勢は背筋を伸ばして胸を張ればいいですか?
必ずしもそうではありません。
胸を張りすぎると腰を反ったり、肩や首に力が入ったりする場合があります。
自然な背骨のカーブを保ちながら、無理なく呼吸できる姿勢を目指すことが重要です。
Q. 姿勢は一日中正しく保つべきですか?
一つの姿勢を長時間維持する必要はありません。
どんな姿勢でも長時間続ければ身体に負担がかかるため、座る・立つ・歩くなど姿勢をこまめに変えることが重要です。
Q. 猫背改善には胸を張るだけでいいですか?
胸を張るだけでは十分ではありません。
胸郭、胸椎、肩甲骨、骨盤、股関節、体幹など、身体全体の動きやコントロールを確認する必要があります。
Q. 反り腰を改善するにはお腹に力を入れればいいですか?
腹部を適切に使うことが必要な場合はありますが、常にお腹を固めればよいわけではありません。
骨盤や胸郭、股関節の動き、呼吸なども含めて身体全体を評価することが重要です。
Q. 正しい姿勢をすると疲れるのはなぜですか?
無理に姿勢を作っている可能性があります。
筋肉を過剰に緊張させたり、関節を固定したりしていると、正しい姿勢を意識するほど疲れることがあります。
「頑張らなくても維持できるか」という視点も重要です。
Q. 姿勢改善にピラティスはおすすめですか?
ピラティスは、呼吸や体幹、脊柱、骨盤、胸郭などを意識しながら身体を動かす方法として、姿勢改善に活用できます。
ただし、すべての人に同じ方法が適しているわけではなく、身体の状態に合わせて運動を選択することが大切です。
Q. 姿勢が悪いと痛みが出ますか?
姿勢だけが痛みの原因とは限りません。
痛みには身体的要因だけでなく、活動量、睡眠、ストレス、仕事環境などさまざまな要因が関係する可能性があります。
そのため、「姿勢が悪いから痛い」と単純に考えないことが重要です。
まとめ|姿勢改善で一番大切なのは「正しい姿勢を作ること」ではない
良い姿勢を作ろうとして、逆に身体を悪くしてしまう人には共通点があります。
それは、
「正しい姿勢を一つの形として考えている」
ことです。
胸を張る。
お腹を固める。
顎を引く。
骨盤を固定する。
背筋を伸ばし続ける。
これらを頑張りすぎると、身体がかえって硬くなってしまうことがあります。
本当に大切なのは、
「正しい姿勢を維持すること」ではなく、「さまざまな姿勢に無理なく変えられる身体を作ること」
です。
立っているときは立つ。
座っているときは座る。
歩くときは歩く。
身体を動かすときは動かす。
そして、同じ姿勢を長時間続けない。
このように、身体を柔軟に使えることが重要です。
姿勢改善で悩んでいる方は、
「どうすれば正しい姿勢になれるか?」
だけではなく、
「なぜ私は、その姿勢から動けなくなっているのか?」
と考えてみてください。
姿勢を変えるために必要なのは、単に「背筋を伸ばすこと」ではありません。
身体を評価し、動かし、コントロールする能力を高めること。
それが、本当の意味での姿勢改善につながります。
フィジオコンディショニングラボが考える姿勢改善
当施設では、姿勢を「見た目だけ」で判断しません。
理学療法士として、
姿勢。
脊柱の動き。
骨盤。
胸郭。
肩甲骨。
股関節。
足部。
筋力。
柔軟性。
呼吸。
バランス。
身体の使い方。
などを総合的に確認します。
そして、
「背筋を伸ばしてください」
だけで終わらせるのではなく、
「なぜその姿勢になっているのか?」
を考えます。
必要に応じて、パーソナルトレーニングやピラティス、コンディショニングを組み合わせながら、身体を自分でコントロールできる状態を目指します。
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身体の不調を改善するためには、まず原因を正しく見つけることが重要です。
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