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Hyper na PUE

大学入試のための物理 ~Physics for University Examination~

電場①

ここからは「電場」といわれるものについて説明しますが,
内容を次の2つに分けたいと思います。

  電気力線
  電場

前回は,クーロンの法則について確認しました。

電気と電気の間にはたらく力が式で表されて,
電磁気学の基本式のひとつとなるくらいすごいもので,
こんな便利な式はなかなか発見されるものではありません。

しかしながら,このクーロンの法則の式は,
とっても限定的なものです。

点電荷と点電荷の間の力しか調べることができません。

実際の日常の中で電気的な現象を見てみれば,
点電荷と点電荷だけが現れる状況はなかなかにありません。

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それで,クーロンの法則の式をバージョンアップさせる必要があるのですが,
そのための材料として,
「遠隔作用」「近接作用」という,力の作用の仕方2種類を扱いたい。

遠隔作用」というのは,
モノとモノが離れている状態で力がはたらくような作用の仕方をいいます。
例えば,万有引力とか慣性力は遠隔作用の力です。

近接作用」というのは,
モノとモノが接している状態で力がはたらくような作用の仕方をいいます。
例えば,張力とか垂直抗力とか摩擦力は近接作用の力です。

ここで扱っている電気と電気の間にはたらく力は,
両者は接していないので,遠隔作用の力であると考えることができますが,
今から目標にしている,クーロンの法則のバージョンアップのためには,
「電気の力も近接作用で考えたらいいよ」といわれます。

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いきなりそんなこと言われても難しいかもしれませんが,
たとえて言うならば,次のことを少し考えてみましょう。

皆さんが友達とトークしているとき,
自分の口から出た声が,相手の耳に届きます。

これは,「自分の口」と「相手の耳」は触っていませんので,
遠隔作用のような感覚で捉えることができます。

しかし,近接作用のような感覚で捉えることもできます。

「自分の口」と「相手の耳」との間に,声を伝える「媒体」があって,
その媒体と触っている,というふうに考えるのです。

この場合,媒介となる物体は「空気」です。
「自分の口」→「空気」→「相手の耳」というふうに,
自分の声が相手に伝わります。

要するに,「空気」と触っているから声が伝わる,
いわゆる近接作用のような感覚で考えることができるのですね。

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電磁気学では,「場」というものを導入しています。

電気の力は遠隔作用として伝わる,と考えるのが普通かもしれませんが,
電気が何かに触っているから,力が伝わる」という近接作用として考える場合,
その電気が触っているものは「電場」だ,と考えるのです。

電気が,何か「電気的な空間」に触っているから,力が伝わる,
というのが近接作用の考え方であって,
その「電気的な空間」というのを「電場」と呼んでいます。

なぜそのような「電場」という考え方が出てきたか,
歴史的な話になるので,詳しくは「KPP」に今度載せておきます。

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電場とは,電気の力を伝えるはたらきがあるものですが,
残念ながら目に見えないものです。

そこで,この電場を視覚化したものとして,
電気力線」という矢印をこれから導入します。

「でんきりきせん」と読みます。

この電気力線の描き方にルールがあります。

この電気力線には,電気の力を使えるはたらきを視覚化する,
という目的がありますので,それが果たせるルールを確認しましょう。

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電気力線を描くルール

 1) 正の点電荷が受ける力の向きに矢印を描く

 2) 力の大きさを,矢印の密度で表現する
  (密度が大きいほど,大きな力を受ける)

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具体的に,このルールに沿って電気力線を描いてみましょう。

まず,↓の図のように,2つの点電荷を用意します。

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左側の一重のマルの電気を,力を受ける点電荷とします。

今ここでは,同じ符号の電気がセットされていますので,
反発する力がはたらきます。
注目している点電荷にはたらく力は,↓のようになります。

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この力の向きに電気力線の矢印を書けばよいので,
電気力線は,↓のようになります。

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今度は,力を受ける点電荷の位置を,↓の図のようにすると,
同様に考えて,電気力線の向きは↓のように描けますね。

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という感じで,二重マルの点電荷のまわりには,
↓のような電気力線が描けます。

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力の大きさは線の密度で表現する,というルールがあります。
今回の場合は,↑のように電気力線を等間隔に描けばよいですね。

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というワケで,二重マルの点電荷が受ける力は全く考えませんでしたが,
この二重マルの点電荷は,一重マルの点電荷に力を伝える空間,
すなわち「電場」を作っている役割をしています。

もう一度言います。

二重マルの点電荷は電場を作っている,とここでは考えます。

この電場という目に見えないものを視覚化したものが電気力線であり,
この電場というものを今後導入することによって,
クーロンの法則をバージョンアップすることができます。

次回は,そのバージョンアップの話になります。


次の「電場②」の記事はこちら


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