保存力②
では,ちょっとだけ大事にしたい「保存力」について。
まず,保存力の定義からいきましょう。
「保存力」とは,
はじめの位置と終わりの位置だけで仕事が決まるような力
のことです。
もう少しの間だけ抽象的な表現をすると,
この保存力のする仕事には,途中の経路は関係ない,
ということです。
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では具体的な話に入っていきたいと思いますが。
↓の図のような台を用意します。
【図】
台は床に固定されていて,粗い斜面を持っています。
10kgの物体を,台のA地点からB地点にゆっくり持ち上げることを考えます。
前回,仕事の原理について確認したから,
この先の話はもうなんとなく見えていると思いますが。
斜面を使って,A→Bの経路で持ち上げる場合と,
A→C→Bの経路で斜面を使わずに持ち上げる場合,
重力が物体に対してする仕事の値は同じですね。
重力加速度の大きさを10m/s2だとしたら,
重力がやる仕事は,-300Jです。
A地点から空中で物体をB地点に運んだ場合も,
重力がやる仕事は-300Jです。
極端な話(入試では極端な話ぢゃないけど),
↓の図のような台を使ってA地点からB地点に運んでも,
重力が物体に対してする仕事は-300Jです。
【図】
このように,はじめの位置と終わりの位置をA地点,B地点に固定すれば,
どんな経路で物体を動かしても,重力がやる仕事の値は同じです。
だから,重力は保存力であると言うことができるのです。
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ぢゃあ,摩擦力は保存力なのでしょうか??
空中で物体をA→Bと運んだ場合は,摩擦力がする仕事は0ですが,
斜面を使ってA→Bと運んだ場合は,摩擦がする仕事は0ぢゃありません!!
ということは,経路によって仕事の値が違うので,
摩擦力は保存力ではないということですね。
このような,保存力でない力を,「非保存力」と呼びます。
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力学では,他にいろいろな力が出て来ますが,
逐一確認していたら日が暮れてしまうので,
何が保存力で,何が非保存力か,結論だけ書いておきます。
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保存力とは,
はじめと終わりの位置だけで仕事が決まる力のこと。
・保存力 → 重力,弾性力,浮力
・非保存力 → 摩擦力,垂直抗力,張力,空気抵抗力など
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なお,物理Ⅱに登場する力にも保存力がいくつかあります。
ここに載せたのは,あくまで物理Ⅰの力学で扱う力だけです。
そもそも,なんで「保存力」という名前がついているのか,
疑問に思っている人もあるかもしれません。
そしてこの「保存力」がなぜ大事なのか,いまいち分からない人もね。
それは,次々回に譲るということで。
次の「力学的エネルギー保存則①」の記事はこちら
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