力学的エネルギー(3) ~ 力学的エネルギー保存則 | Hyper na PUE

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大学入試のための物理 ~Physics for University Examination~

力学的エネルギー保存則②

満を持して「力学的エネルギー保存則」の説明に入りましょう。

ここで,前々回の「保存力」の知識が大事になってきますので,
頭の片隅に保存力のこと置きながら,この記事を確認してください。

  ∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽

まず,↓のような簡単な状況を考えてみましょう。

 【図】

地面から高さHyper na PUE のA地点から速さHyper na PUE で球を発射させて,
高さHyper na PUE のB地点を通過するときの速さがHyper na PUE でした,と。

球の質量をHyper na PUE としてエネルギーの原理を使ってみると,

 Hyper na PUE

ですね。

左辺は運動エネルギーの変化量,右辺は重力がした仕事を表しています。

この式をちょっと変形すると,

 Hyper na PUE

となります。

この式を見て,ニヤリとした人もいるかもしれません。

とりあえず,これはこれで置いておきます。
次の状況を考えます。

  ∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽

 【図】

地面から高さHyper na PUE のA地点から速さHyper na PUE で球を斜面上を滑らせて,
高さHyper na PUE のB地点を通過するときの速さがHyper na PUE $でした,と。

ただし,この斜面はなめらかであるという設定でお願いします。

今回は球に対して,非保存力である垂直抗力がはたらきますが,
垂直抗力の向きと球が進む方向は垂直なので,
垂直抗力が球に対してする仕事は0です。

だから,この状況をエネルギーの原理を用いて式にすると,
さっきと同じ式が出て来るので,ここでも,

 Hyper na PUE

という関係式が出て来るのですね。

  ∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽

あともう1つだけ,別の状況を考えます。

【図】

ジェットコースターしてA地点からB地点に行く場合です。

ここでも,摩擦力ははたらかないという設定でよろしく。

A地点を速さHyper na PUE で出発した後,
一度,B地点より低い場所に行くが,B地点では速さがHyper na PUE でした,と。

このときも,結局は,

 Hyper na PUE

という関係式が出て来ます,やってみな。

  ∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽

はい,ここで3つ状況を考えましたが,
いずれも球に対して仕事をする力が保存力のみである状況でした。

そういうとき,とっても面白い関係式が出て来ましたね。

「A地点での位置エネルギー+A地点での運動エネルギー」と,
「B地点での位置エネルギー+B地点での運動エネルギー」が等しい,
という関係式。

物体に対して非保存力が仕事しない場合は,
位置エネルギー+運動エネルギー」は変化しないよ,
ということを意味しています。

そこで,この「位置エネルギー+運動エネルギー」のことを,
力学的エネルギー」と呼んでしまうのです。

もう一度さっきの関係式の意味を,言葉を換えて表現すると,
物体に対して非保存力が仕事しない場合,

 「A地点での力学的エネルギー」=「B地点での力学的エネルギー」

となる。

つまり,力学的エネルギーが変化しない,保存する,ということなので,
この関係式を「力学的エネルギー保存則」と言います。

超大事!!!!

もうね,これ超大事!!!!

  ∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽

ぢゃあ,非保存力がはたらく場合,力学的エネルギーはどうなるのか,
確認してみましょう。

さっきの2番目の状況で,斜面が粗い場合を考えます。

 【図】

A地点から速さHyper na PUE で球を斜面上を滑らせて,
B地点を通過するときの速さがHyper na PUE でした,と。

今回は,摩擦力が球に対して仕事をします。
力の向きとすすむ距離が逆ですから,負の仕事です。
この摩擦力がする仕事をHyper na PUE とします。

さて,エネルギーの原理の式を立ててみると,

 Hyper na PUE

ですね。

この式を変形してみましょう。

 Hyper na PUE

となりますが,…おやぁ??

 A地点での力学的エネルギー = B地点での力学的エネルギー+α

となっちゃって,

 A地点での力学的エネルギー = B地点での力学的エネルギー

ではなく,「+α」っていう余計なおっさんが付いてきちゃいました。

おわかりだと思いますが,
非保存力が物体に対して仕事ししてしまう場合,
力学的エネルギーは変化してしまう
,保存されない,
ということが言えます。

  ∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽

というワケで,力学的エネルギー保存則は,とても便利で重宝します。
力学的エネルギー保存側が成り立つ条件をしっかり確認してください。

では,今回のポイント。

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力学的エネルギー保存則

 A地点での力学的エネルギー=B地点での力学的エネルギー

ここで,「力学的エネルギー」とは,
位置エネルギーと運動エネルギーの和のことである。

※なお,非保存力が物体に対して仕事をするとき,
 力学的エネルギー保存則は成立しない


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というワケで,「保存力」っていう名前は,
この力学的エネルギー保存則からきているのですね。


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