MWを全巻読みましたので感想を。


映画化に際して実現不可能と言われたみたいですが、それはスケールのでかさを指したわけではなく、内容の残虐さ故だったのでしょうね。


そう思えるくらい結城の非道さが際立っている作品でしたし、映画以上に賀来神父の存在が目立っていました。


早い話が、映画は作品の世界観を表現できていなかったと思います。結城と賀来の深い仲が映画で表現されていなかったことはマイナスだったと思います。これを描かずして、結城と賀来の関係が分かるはずがない。


今でこそ同性愛は認知されていますが、この作品が出た当時は今ほどは認知されていなかっただろうから、それを取り上げたのはさすがだと思いますが、この作品の主題はそこにあるわけではないと思います。


むしろ、個人的には結城の狂気が印象に残りました。


猟奇的殺人を次々と重ねてゆく理由が、「復讐のため」というありきたりの理由ではない辺りが、人間の持つ狂気さを考えさせる作品だと思います。


映画ではMWという兵器に焦点が大きく当てられていた気がしますが、原作では、MWは結城の狂気に焦点を当てるための引き立て役にすぎないと思いました。


また、原作では某国と伏せられていますが、日米の関係、とりわけ基地問題も取り上げられているのではないか?と沖縄県民的には思えたのですよ。


うーん、さすが手塚治虫作品だけあって、読み終わった後に色々考えさせられました。


MWというタイトルですが、「Man and Woman」や「Mad Weapon」、あるいは、価値観なんてすぐにひっくり返るという意味だと解釈されているみたいですが、個人的には三番目の解釈ではないかと思います。


手塚先生的には納得がいかなかった作品らしいですが、是非、読んでもらいたい一作です。


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