最近の天体物理学の授業ではいわゆる高エネルギー天文学の部類に入る分野の物理過程を勉強しています。

電子が光速に肉迫するくらいまで加速されるので、持っているエネルギーがかなり大きく、10^20evとかになったりするのですが、現在、地上の加速器ではTevあたりまでしか加速できないので、宇宙が自然の加速器と言われる理由がよく分かります。

地上の加速器だと半径がkmのオーダーですが、銀河の周りを回るとなると半径がpcのオーダーですからね。どんだけでかい加速器だよと(笑)

高エネルギー天文学にはX線天文学などがあるのですが、日本ではこの分野は世界的に見ても割と強いらしいです。まぁ、小田稔先生が日本のX線天文学の土台を築いたというのもありますからね。

ちなみにX線は数100万K~1億Kの高温ガスから発せられますが、昔はそんな高温な天体があるわけないということで、見向きもされていませんでした。

しかし、1962年にジャコーニ先生が初めて宇宙X線源を発見したのをきっかけで線で宇宙を見ることの有用性が広がり、現在にいたるわけです。ジャコーニ先生はもちろんこの業績でノーベル賞を受賞しています。

では、宇宙におけるX線源は何かというと、AGNにあるブラックホールや超新星残骸、恒星や白色矮星、中性子星、ブラックホール、いわゆるcompact starの連星系などが考えられています。つまり、これらを観測するための手段としてX線を用いることは有効な手段の一つなのですね。

ちなみ天体物理学実習の最初当たりに降着円盤の勉強をしましたが、ブラックホールなどの周りに生じる降着円盤を形成するガスが摩擦によって高温になり、そこからX線が放出されることもあるみたいですよ。

いずれにしろ、高エネルギー天文学は天体の観測を通して発展してきた分野であり、現象論的なことに興味のある僕としては気になる分野の一つですね。

天体物理学の先生が、次のセメスターの大学院生向け講義で、この辺りの話やB-modeの話をするらしく、興味があるなら受講してみたら良いと言っていたので、時間が合えばお言葉に甘えて受講しようと思います。