たまには勉強しておかないとねってことで田崎先生の「統計力学Ⅰ」の3-2-1~4-1-2を読みました。




3-2-1~3-2-2



3次元の自由粒子N個の場合の状態数を考える中でN次元球の体積を求め、その結果を用いて導出した状態数の形が、実は安定性と長距離での振る舞いに条件を課した場合、ほとんどのマクロ系でも同じという話。


ちなみにその形とは下のようなやつ



この辺りは厳密な証明が書かれていなかったので、そうなのかとしか言いようがない。




4-1-1



エネルギー、体積、分子数が与えられれば平衡状態のマクロな性質が完全に決定されるという経験事実、そしてその三つの値が同じな非平衡状態から出発すれば、同じ平衡状態に落ち着くことを述べ、



○マクロに見た時はただ一つの普遍的な平衡状態とミクロに見た時の膨大な数の状態はどのように対応するのか?



○ミクロな状態ではシュレーディンガー方程式が時間反転に対して形を変えず、時間の流れに特別な向きは無いのに、マクロな状態では平衡状態へと向かうため時間の向きが存在するのは何故か?


という二つの疑問を提起。




4-2-2



「許される量子状態」というのを定義し、それを用いて上の二つの疑問に対する答えを与える。(気になる人は是非、読んでみてください)





実は、ここまでの流れにはほとんど数式が出てきていないんですよ。「熱力学」もそうですが、田崎先生の本はあまり数式が出てこないという印象があります。それでもきちんと流れを押さえており、ストーリーがしっかりしていて、理路整然とした流れとなっているのが多くの物理学徒を引きつけているのではないかと思います。


それにしても、統計力学を勉強していると熱力学を再勉強したくなりますね。少なくとも、熱力学は統計力学から導出されるから、統計力学が分かればいいじゃん?という考えは完全に間違っており、熱力学はそれ自身で美しい体系を持っているということが、田崎先生の本を読めば感じられると思います。


量子力学と統計力学を学んだ後に、この二つを主に用いる物性への興味が湧いてくるのも分かる気がしますね。