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以前、Noetherの定理で対称性と保存則の話を書きましたが、量子力学でも対称性と保存則の話があります。自分なりの理解をまとめようと思います。


まず、ハミルトニアンと可換な物理量の演算子のことを保存量といいます。これは、下のハイゼンベルク方程式で右辺が0になることより明らかです。



ハイゼンベルク

では、この演算子Oの代わりにユニタリー演算子を考えても良いではないかということです。このとき、ユニタリー演算子とハミルトニアンが可換ということより、



kakakn

が成り立ちます。


さて、ここで、「ハミルトニアンに対してある演算子が可換であるとき、その系はその演算に対して対称であるという」ということにしましょう。これは、つまり変換前と変換後の系が全く見える時に対称性があるということです。時間にのみ依存する波動関数のシュレーディンガー方程式を解くと、時間発展を表す演算子がユニタリーとなることより、量子力学では対称性を持たせる変換の演算子としてユニタリー演算子を考えるのが妥当であるという風に考えます。


ちなみに、ある状態がシュレーディンガー方程式を満たす解だとすると、それにハミルトニアンと可換なユニタリー演算子を作用させた状態もシュレーディンガー方程式の解となります。


さて、ハミルトニアンを不変に保つユニタリー演算子の一例としては、空間並進の演算子やx軸に対して対称移動させる演算子などがあります。


そして、計算すれば分かるようにこれらのようにハミルトニアンを不変に保つ演算子は群をなします。


ここで、ユニタリー変換群の中で、恒等変換に十分に近い元が以下のように表せるとします。



unitary
すると、



unitary2

ということと、



kakakn

を使えば、演算子Tがエルミートかつ保存量ということが分かります。


これは、恒等変換に限りなく近いですが、これを何度も繰り返すことで有限だけ離れた距離変換を作ることができます。蟻だって、しっかり歩いていればある程度の距離を進めるようなものです。


さて、今、書きましたように無限小変換を何度も繰り返せば、単位元の近傍の元を表せることから演算子Tを変換群の生成子と呼びます。そして、生成子の交換関係は、あるてきとうな係数(構造定数)を使うことにより、生成子の線形結合で表すことができます。



unitary

ちなみに空間並進の際の生成子は運動量演算子を含んだ形となります。つまり、生成子は保存量を含んだ形になるんですね。そして、生成子が決まれば、ユニタリー作用子も決まるので、対称性が分かるわけです。


いや、逆かな?対称性から保存量を導くのかな。


以上が、今日学んだことです。これからLie群など群の話も学んでいかないといけません。


群は対称性と保存量の話に絡んでいるということがうっすらと見えてきました。