田崎「熱力学」の第二章を読み終わりました。彼のスタイルは、まず、自然を観察し、そこからnaturalな形で原理というか要請を決め、結果を導き出すというスタイルなので、論理的であり、要請を認めてしまう以上自然な流れで、結果が導出されます。
まず、2章では要請として、
①ある環境に熱力学的な系を置き、示量変数の組を固定したまま十分に長い時間が経過すると系は平衡状態に達する。また、同じ環境に置いた系の平衡状態は、示量変数の組の値だけで決まる。
②各々の環境を特徴づける量に温度いう実数量がある。環境に置いた熱力学的な系の平衡状態を左右するのは環境の温度だけである。つまり、等しい温度の環境の中にある熱力学的な系の平衡状態は、示量変数の組が等しければ常に等しい。
の二つがあり、この結果導き出されるのが
熱力学的な系の平衡状態は、環境の温度と示量変数の組の値で完全に決まる
ということです。一見、当たり前の要請から結果を導き出すというスタイルだと、さっぱりしていますね。
また、断熱時の要請として、
熱力学的な系を断熱壁で囲み、示量変数の組を一定値に固定したまま十分に長い時間が経過すると、系はある平衡状態に達する。このときの平衡状態の温度は系の初めの状況で決まり、環境の変化を受けない。
というものがあります。おそらく、断熱時でも熱平衡に達するということ、そして、それが環境に左右されないということが大事なんでしょう。
この本の良いところとして、訳注が充実しているということが挙げられますが、訳注の中に温度に関する記述として、「考えうるすべての環境を、その中に置いた熱力学的な系がどのような平衡状態に達するかに応じて、同地分類し、実数を振り当てる。その実数を温度という」みたいなことが書かれています。
温度というの概念がいまいちピンとこなかったんですが、この記述を読んで、温度に対する明確なイメージがつかめました。