「ケンブリッジの卵 回る卵は何故立ち上がりジャンプするのか」(下村裕)を読みました。


ゆで卵を回すと回転して立ち上がるという現象は、誰でも知っていることですが、これを数理的に証明することは誰もできないでいました。それを証明したのが、本書の作者である慶應義塾大学の下村教授です。氏はケンブリッジ大学に留学中にこの問題に出会い、流体力学の権威の先生と共に問題解決に向けて取り組んだそうです。


この本を読んでまず感じたのは、共同で研究することの大切さです。確かに一人で考えることも大事ですが、よほど天才でない限り、一人では限界があります。誰かと議論して、自分の考えの誤りを見つけたり、思い浮かばないアイデアを得たりすることは大事です。僕も時折、相対論の件で友達と議論しますが、自分に無い視点を学べて楽しいですし。


もう一つ感じたのは、花形でない分野にも面白さがあるのだなということです。現在、物理学では素粒子や宇宙論がメジャーな雰囲気ですが、ゆで卵の回転は純粋な古典物理学の範囲です。しかし、そこにも未解決問題は転がっているんです。


ちなみに著者は専門が流体力学の専門家ということで、流体力学の話が本書ではたくさんでてきますので、流体力学に興味がある人は是非、一読を進めます。