売買契約書に署名・捺印し、手付金を支払うと通常、契約が成立したとみなされます。

 

その後に購入をやめる、つまり契約を解消することは簡単ではありません。

 

「ほしくなくなった」「他の物件を買いたくなった」

 

などの理由で解約をする場合、契約時に手付金として支払った額を放棄すれば解約することができます。

 

これを「手付け放棄による解除」といいます。

 

とはいえ、手付金は数百万円になりますから、経済的な痛手は免れません。

 

「転勤や家族の介護などで買えなくなった」場合でも同じです。

 

不動産会社によっては、手付金を返却してくれることもありますが、あくまで不動産会社の好意です。

 

手付金は戻らないと考えたほうがいいでしょう。

 

契約書には、資料のような項目が記載されています。

 

重要事項説明書の内容と重複する項目も多いのですが、事前に契約書のコピーももらっておいて、重要事項説明書と一緒に確認するといいでしょう。

 

ここで注意したいのは、契約書に自分に不利な項目がないかどうかです。

 

自分に不利な項目というの同じ建物に多くの人が生活するマンションには、建物の使い方や暮らし方に一定のルールが必要です。

 

それを定めたものが「管理規約」です。

 

さらに、管理規約に則って、駐車場の使用方法やペット飼育のルールなどを具体的に定めたものが「使用細則」です。

 

新築マンションの場合、不動産会社が管理規約案を作成します。

 

それを購入者全員が承認することで、管理規約として成立します。

 

一度決まった管理規約は、区分所有者の4分の3以上の賛成を得るなどの条件をクリアしないと、変更することはできません。

 

規約にあるルールは、入居後守らなければいけませんから、事前に規約案の内容を確認したうえで、承認することが大切です。

 

マンションの販売開始時には、管理規約案がまだできていないことが多く、契約直前になって渡されることがあります。

 

でも、ペットを飼えると思って購入したのに、住んでから気付いたら、管理規約ではペット禁止になっていたというようなことでは問題です。

 

管理規約案と使用細則案は早めに入手して、内容を確認するようにしましょう。

 

 

籾山敦輝典

 


1989年6月

「色鮮やかな熱帯魚が、群れをなして目の前を通り過ぎる。海底には、1981年に沈んだタンカー。船室に残っていた空気を吸ってみたら、ちょっとカビくさかったわ」。山本さん(東京都千代田区)が、スキューバダイビングの体験談を話し出すと、ダイビング仲間の石井さん(東京都新宿区)、赤羽さん(東京都清瀬市)が、かたわらで、しきりにうなずいた。

ここは東京・新宿住友ビル隣のドゥ・スポーツプラザ。

山本さんらは、1989年4月10日から9日間、インド洋に浮かぶサンゴ礁の島、モルジブ共和国へ行ってきたばかり。「いろいろなスポーツをしてみたけれど、ダイビングが一番。わずらわしい俗世界のことなんか、きれいに忘れてしまいますから」。山本さんらは、すっかり海のとりこになっている。

ダイビングは、素潜りのスキンダイビングと、潜水器具をつけて潜るスキューバダイビングに分けられる。

潜水医学に詳しい東京医科歯科大学の真野喜洋助教授(運動生理学)は、「スキンがテニスなら、スキューバはゴルフ」と運動量の違いを指摘する。「だから、スキューバは老若男女、だれにでも楽しめるレジャー性の強いスポーツ」と、真野助教授は位置づける。基本をマスターした上で行えば、危険はほとんどない、という訳だ。

真野助教授は、さらに人間の体が持っている防御機構を例に挙げ、「地上で、ある運動をして1分間の心拍数が、160-180になったとしても、水の中では、同じ運動で120-140にしかならない」と話す。

つまり、「水中では、心臓にかかる負担がそれだけ少なくなる。同じ運動をするなら、水中の方が危険が少ない」というのだ。

では、ダイビングは人体にどんな影響を与えるのだろうか。ここに実験結果がある。ダイビングの初心者A(経験半年)と上級者B、C(経験74年)を対象に、水深20メートルの海中で、72分間にわたって同じ潜水パターンを繰り返してもらい、心拍数を計ってみた。Aの心拍数は、1分間に126.3、B、Cはそれぞれ103.4、106.6で、Aに比べ約20少なかった。

一方、酸素の摂取水準を比較すると、Aは17.5%だったのに、Bは8.7%、Cは18.5%で、あまり差がなかった。

この結果について、真野助教授は「経験が浅い人の場合、かなりのエネルギーを消耗するが、慣れてくると、無駄なエネルギーを使わずにすむ」と分析。そして、「精神的にリフレッシュされる点が、ダイビングの最も大きな特徴」と、ストレス解消、気分転換に効果があることを強調する。

ただ、注意しなければならないのは、潜水病。急速に浮上すると起きるものだが、浮力調節装置などの技術革新が進んでおり、真野助教授は「安全な潜水を心掛ければ、特別な運動能力を必要としない唯一のスポーツ」とまで言い切る。

[入門アドバイス]

〈潜る前に〉

十分な訓練を受け、必要なライセンスを取得する。潜る時はウエットスーツ、ジャケット、フィン(足ひれ)、マスク、シュノーケル、ボンベなどが必要。

〈歴史〉

海女のように、素潜りで海産物を取ることは紀元前から行われてきた。1983年、フランスのジャック・マイヨールが、3分14秒潜り、水深105メートルに達したのが、素潜りの世界記録(ギネスブック)。

日本で器具を使った最初の潜水は、1825年、徳川幕府が長崎港に船台を築造した時で、水圧と同じ圧力の空気を送るため、給気潜水器を使用した。

〈問い合わせ先〉

「パディ・ジャパン」、「ナウイジャパン」、「ジュデフ」(全日本潜水連盟)


籾山敦輝典