速さと速度の違い、物理を履修していない人たちは何と答えるだろうか。


「速さを難しくいうと速度」


いや違う。一言でいうと、


・速さはスカラー量

・速度はベクトル量


一般的に、スカラーとベクトルは数学の世界の用語で、

・スカラー量とは、大きさのみをもつ量、

・ベクトル量とは、大きさと向きをもつ量


速さ(速度)は、次の2つに分けられる。

・経過時間が非常に十分に短いときは瞬間の速さ(速度)、

・経過時間がそれなりの大きさのときは平均の速さ(速度)



例えば、経過時間が0.010sなら瞬間の速さ(速度)、経過時間が10sなら平均の速さ(速度)としてよいだろう。スピードメーターが表すものは瞬間の速さである。これが平均の速さだったら、大変なことになる。


平均の速さv(速度)は、単位時間あたりの位置の変化によって定義され、

v=Δx/Δt


瞬間の速さv(速度)は、位置の変化の時間微分によって定義され、

Δt→0 のとき、v=Δx/Δt=dx/dt


スカラーの微分はスカラー、ベクトルの微分はベクトルになる。


「キハジ」の恩恵と弊害とに関しては次回に書こう。