マック月見バーガーCMを見て泣いてしまったので、マックから1円もお金もらってないのに、激熱PR?します。

なんで、バズらない?話題に成らないんだろうと逆にびっくりする位感動しました。

 

ちなみにマックそこまで好きでも無いです笑

モス、フレッシュネス派で、ポテトはクアアイナ派です。

 

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凄いと思った点は

①松重さんの表情演技

②訴求点と商品アピールの両立

②ウソの無い完璧な構成

熱く語っていきます 

 

①松重さんの表情演技

初めて見た時、消音モードで見た為ナレーションがあるの知らなかったのですが、松重さんの演技が3カット&2秒位&セリフ無しなのに父親の気持ちが手に取る様に分かりました。

ナレーション内容がそのまま演技から醸し出されていると言うか。

 

例えば、悲しいを演技するとしたら

レベル1 泣く

レベル2 セリフ

レベル3 手で顔を覆う(身体表現)

レベル4 顔芸&詠嘆セリフ

レベル5 顔芸

レベル6 表情 長尺 

レベル7 表情 1秒 

の段階がある??(演技素人です)と思いますが、松重さんはレベル7にいる感じ。

半沢直樹のキャストはレベル5。

 

顔芸は演技だな~と分かるけど、表情演技になると自然過ぎて演技だと思わないのに、訴えてくる物があると思いました。さらっと見れるのに物語が分かる。

なのでこのCMはナレーション無しの方が良かった?とさえ思いました。

 

②訴求点と商品アピールの両立

ドラマや映画は表現重視と思いますが、CMだと表現(訴求点)と商品アピールを両方満たさないといけない

月見バーガーのCMはどちらも両立出来てるのも凄いと思いました。

 

ACのCMは訴求点のみ(商品が無い)なので、良いCMに見えますが作る方は楽?なんじゃないかと。

ソフトバンク、auの訴求点ゼロで、記憶に残ったらあなたの負け~みたいなCMも自分は嫌いです。全然美しくない。

 

父親と子供を題材にしたCMだと トヨタCM「父と娘」

これも自分は余裕で号泣笑しましたが、訴求点が強すぎて商品アピール(又は会社ブランディング)は満たしていない

親子の関係に車が寄り添うのは分かるのですが、車欲しいとはならないし、トヨタが良い会社とも思わない。

このCMは娘視点バージョンもありますが、トヨタはお金余ってるなって感じ。

 

相鉄東急直通記念「父と娘の風景」

 

これは訴求点が強すぎるのと、ワンカット撮影がしたくて他が置き去りになっている。商品アピールは全く出来ていない

多分、企画段階で電車と親子関係とは何ぞや?と深堀せずに、ワンカット撮影技術を使おう!とやりたい事が先になったんじゃないかと。

 

ワンカット撮影=直通記念とも成らない。

これ見て電車乗ろうとも思わないし、何故に電車内?とさえ思う始末。

電車内じゃなくてホームや駅入口でする行為だろうと。

ワンカット撮影にこだわらずに早めに場面転換するべきだし、最後のオダギリジョーも若すぎる違和感。

モノトーンに抑えた全体のカラーやオダギリジョーが先に降りてしまったのも、オダギリジョーの死の暗示かとさえ思ってしまう。

最後のフェードアウト、窓からの木漏れ日も意味ありそうで全く意味無く、長すぎるだけ。

うちの奥さんはこのCM絶賛してて大好きですが笑

 

「無言の父たち」

 

これは訴求点と商品アピールを両方成功してると思いました!!

父の子育てあるあるに共感させて、ハイライトな映像なのでこりゃ~パンパースのCMだなと思わせてから~の~プレミアムモルツって起承転結も完璧。

 

商品アピールの特別なビールを飲むタイミングと訴求点の子育てあるあるの大人の時間も完璧にマッチ。

少し詰込み過ぎて狙い過ぎてる感と、演技し過ぎ感はあるかな?

あと、リアリティが少し欠ける。疲れている演技だけど顔も髪も綺麗で疲れ無いし、服も自転車も鞄も家の中も子育て中なのに新品で綺麗過ぎる。

視聴率5%前後の新作ドラマを見ている感じ。

リアリティを捨てるならもっとコミカルに突き抜けて毒も欲しかったかも。

 

で、松重さんですよ!!上のは15秒でしたがこの60秒篇も良いです。

15秒ではカットされたバスのシーンの表情すごいです。

 

②ウソの無い完璧な構成

多分、企画段階で「月を見る」事を深堀したはず。月をどんな時に見るか、どんな時に見た経験があるか、どんな場所で見たか、どんな気持ちになったか等。

そこで「月を見ると落ち着く」に辿り着き、

「父親がいる時の落ち着き」と結び付けた人がいたんじゃないかと。

 

この本来なら繋がらない事を繋げた人の発想が凄いと思いました。

「落ち着く時」を深堀するとコーヒー飲んだ時とか、仕事が一段落した時とか表層心理しか出ないのに、表層心理では「落ち着かない」父親がいる時を深層心理では「落ち着く時」とちゃんと理解される方がアイデアを出して繋げた。

 

父親から娘への「わかっている」

・娘はもう成人して子供ではない事。心配し過ぎるとマイナスになる事

・都会生活と社会に藻掻いてテリトリーや自我を作っている最中なので家族という安定の象徴の異物を入れて、進みを止めたく無い事

・勝手に家まで来た父親にイラ立つ、着信に出ないくせに「迎えに行ったのに」と自分を正当化するウソをついた事。

藻掻いているだけで終わる日々、社会に対する自問自答にも疲れている事

 

娘から父親への「わかっている」

・上記全てを分かっているのに分かっていないフリを父親がして、現状の自分を諫める事も励ます事もせずに許容してくれている事

・心配して欲しくないのに、家族しか分からないタイミングで来てくれた事

・キノコマッシュカットの彼氏なら「どしたん?話聞こか?」と居酒屋に誘いだす所を、父親はマック持って来ただけの軽さから、長居せずに帰る表現にもなっている事

・遠方から来てるのに今日、月が出てるよだけ言いに来たかの様に、軽い用事に見せかけて心配を減らそうとしている事

 

商品紹介の自然さも完璧

父親はまだ晩御飯食べていないからバーガーを、娘は晩御飯を食べ終わっているから、パイを食べる

着信に出なかったので娘に会えるか分からないから、溶けるマックシェイクは買っていない

父親は普段食べ無いものを娘に合わせて買ってきたので「美味いもんだな」

それに対する娘の返答は「わかってないな」(自分の事を色々わかっていてくれて有難うの反語であり、月見バーガーを毎年この時期に食べるのは恒例行事よ?の意味)

 

月を見上げるシーンで音楽は止めるけど、町の騒音をあえて残すのもリアリティが凄い。

会社のデスクや会議資料、娘のアパートの階段の汚れ具合、娘の散らかった部屋、娘の収入で買える範囲の値段の小物、バスのシーンでさえ照度を落として電球色の様な色味で全体の落ち着きをまとめてる。

 

娘は広告制作会社?に勤めてる様な会議シーンなので、このCMを作成した会社の人達が過去の自分自身へのエールも含めているのかもしれませんね。

 

もし、将来自分の娘や息子がこんなCM作成に関わったと報告して、このCM見せてきたら、自分に「ありがとう」を伝えようとしていると気が付いて号泣しそう。

 

クリエイティブな仕事についている人は、自分には分からない辛さの連続だと思いますが、一方で自分の仕事が作品として自分が死んだ後でさえ一生残るのは羨ましいと思いました。

 

美しくて完璧なCMだと思いました。

論文みたいに長くなりすぎた。。広告業界の人が見たら考察全然違うよ!!って怒られそうですが、素人の知ったか考察としてお目こぼし下さいませ。