私はたくさんの、始発早々から終電間際まで、この国や家族を支えるために人間の体内リズムに逆らった時間帯に労働力を提供する人々や、
お酒の飲みすぎで物を紛失し路上で嘔吐し深夜に帰路もわからず冷たい夜の闇の中を彷徨い続けるの人々の
何気ない「移動」を見てきました。
朝は殺気立って駆け込む人のまぁ多いこと。
夕方は疲労とストレスで八つ当たりする人が多く、深夜は魂が抜けたかのような心ここにあらずで歩く...
これが「人間」の行いうる行動なのか?
と目を疑う光景に何度も遭遇しました。
だけどこんな日もありました。
台風の接近に伴い帰宅の足も早く、深夜はほとんど誰もいません。次の日の朝いつもより早く家を出るためにすべての行動が普段より早い段階で行われています。
明くる日の朝、人々は穏やかでした。
まず、時間的余裕から鬼の形相で小走りする人がほとんどいません。
いつもより早めに寝て睡眠をしかるべき時間に取ったからか頭は冴え、ミスが少なく、何をやるにも皆スムーズです。
移動中に何らかの他人との関わりが生まれたとしても各自感謝の気持ちを忘れません。
これはおもしろい発見でした。
もちろん、人は皆一生懸命に働き、時にはお酒だって存分に飲みたくなるし、日の出前に出勤しなきゃならないし、夜が更けても家に帰れないほど仕事が山積み...という方はたくさんいらっしゃると思います。
夜勤が必要な24時間サービスの仕事もたくさんあるでしょう。
そんなふうにして、今日まで日本は日本を支えているんだ...ということもわかります。
しかしあまりにも酷に映るのです。
そして私自身も気づき始めました。
私自身も始発や終電か、そのわずかな間の時間帯さえも働いていた経験があるため、それが心身にどう影響してくるかはわかったつもりでいます。
そしてそんな同じような人々をたくさん見たり接客したりする機会のある仕事だったので、彼らからひとつの法則性のようなものも自然と見つけられるようになりました。
同じことをやるにしても、低パフォーマンスになるような生活になっていないか、本当はもっと心身ともに健康でありながら働けるのではないか、そうすれば個々や所属組織のエネルギーと業績は飛躍的にアップするのではないか、
それが国全体を上げていくのではないか...
単純な考えかもしれませんがそう思ったのです。
だって、あなたは常日頃から、一日を通して見たことがあるでしょうか、人間の移動という何気ない行動に隠されたその人の状態や日々の生活や思考力の変化を。
判断力や意識が劇的に落ちたりすぐ物を失くしたり人に八つ当たりする現実がそこには確かにあるのです。
私は、人類や個人のベストを追求します。
その観点からはこの状態はベストな状態をつくる上で好ましくないと思っています。
私の言うベストの定義は、「ピーク・ヒューマン・パフォーマンス」の「人類が行いうる最高のパフォーマンス」の中での「ベスト」であり、
一時的または常態化して、例えば朝から晩まで健康を無視した状態での努力や労働をすることではありません。
そもそも私の「努力」とは犠牲的あるいは精神論的なエネルギーではなく、忍耐はあるにしてももっと生産的で本当に意味のある方向に使うエネルギーです。
わかりやすく言えば、
ただ筋トレをしまくること
ではありません。
真のベストパフォーマンスを行うためにー。
私たちの生活の基盤こそ見直すべき点があるようです。
たまたま目に入ったこちらの糸井重里さんによる記事から、日頃思っていたことを書きたくなったので書きました。