白黒ってほど極端ではないんです。
意外とマイルドで懐広いんです。
あなた以上にあなたを感じる一枚撮ります
Take Your Light
写真家るっちーこと鶴岡です。
街中を撮る時はモノクロがメインです。
ポートレートでもモノクロ。
お仕事のフォトセッションでも「モノクロで」と言われることも増えてきました。
うれしい。
モノクロ写真の好きなところ、それは
「きれい」の先が写ること。
きれいよりさらに深く写真を感じられるところ。
そんなところが大好きです。
モノクロ写真には色がありません。
白から黒にかけて無限に存在するグレーで描いている。
色がなくなったことで、派手さポップさといった主張みたいなものは減る。
それによって、現実に引っ張られることがなくなって、より深く写真を感じることができるようになる。
そんな色のない世界に写るのは、色があるときには見えないであろう、光の明暗だったり、写る人や物の存在感だったり、写真の中に流れる雰囲気。
ぱっと見ただけではわからない。
でもしばらく見ているとそれが頭の中でイメージとして膨らんでくる。
そしてストーリーとなって走り出す。
本当に写したときにそれが起きてたかなんて気にしなくていいんです。
見た人の中で湧いてきたものが正解。
そうして自然と写真が持つ味を、噛めば噛むほどスルメのようじんわりと感じてきて、どんどん作品の深いところへと意識が潜っていく。
知らないうちに作品に引き込まれている。
最後には、それはため息交じりの「はあぁぁぁあ、たまらんなあ」というところに落ち着いていく。
きれい、だけじゃ終わらない。
そこよりさらに深く写真を感じられる。
それをじっくり味わえる。
スローに楽しむのがモノクロ写真。
写真というと一般的にはカラーでしょう。
伝えられる情報量も圧倒的に多い。
そんなカラーの写真には見ている人に印象をバーンと放つ力が備わっている。
いわば外向きのエネルギー。
それがモノクロ写真だと、写真に見ている人を写る世界へ引き込んでいく内向きのエネルギーになる。
それぞれにそのような力があるように思う。
それでも、ぼくはなんでモノクロ写真が好きなんだろうか。
伝えられる情報量は圧倒的にカラーの方が多い、それなのになぜなんだろうと考えてみた。
それは目では見えないものを写真から感じることが好きだから。
写真を見て湧いてくるストーリーだったり、撮っている人の写る人に対する感謝だったり、応援だったり、見守りだったり。
そういったものは見える形では写らない。
でも、不思議とそれがモノクロだと感じられる。
カラーだと色の派手さや色数といった刺激が強くて、見ている人の意識はどうしてもそっちに向いてしまう。
目で見えているものだけがバーンと飛び込んでくる。
上でも外向きのエネルギーと書いていたけど、それが強くて目では見えないものが伝わりにくくなってしまう。
ぼくにとっての大切な部分が写真の中で埋もれてしまうように感じるのです。
目では見えないものも写るモノクロ写真、やっぱ好きだなあ。
そしてそれを自分の想像力のおもむくままにイメージしたり妄想したりするのはとっても楽しいし。
モノクロ写真には「きれい」の先が写る。
*~*~*~*~*~*
そんなモノクロ写真を今年は初めてみませんか。
スマホでも設定一つで簡単にできるしね。
ぜひ、この楽しさ、知ってほしいな。
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