人口光合成は自然界の光合成を模した化学プロセスです。
太陽光、水、二酸化炭素を酸素、有機物である炭水化物に変換できます。
光合成の反応は酸素分解、酸素生成の二つの酸化還元反応からなります。
この両方の反応は燃料を得る上で重要です。
植物の光合成では光のよる酸化により水が酸素と水素に分解されます。
次にカーボンがグルコースに変換されます。これは光に依存しない反応です。
人口光合成では光触媒を使ってこれらの2つの反応プロセスを実現しようとしています。
ひとつのキーポイントは、触媒のようです。
もし、光合成のプロセスを模倣できる触媒が開発されれば、
実現に近づき、潜在能力としてはガソリンよりも安く燃料を作れるようです。
例えば
光半導体触媒は一つの水を酸素と水素に分解するプロセスを実現するために有望な技術
です。
この水を分解するプロセスが難しく、激しい吸熱反応であるため、
触媒なしでは約2200℃まで上げないといけません。
実際に植物で行われている酸素生成反応のメカニズムを究明するのは難しく、
酸素生成に関与している複合体は
4つのマンガン、一つのカルシウムイオンを含むということは分かっているのですが、
その配置までは分かっていません。
水素を生成するためのセルの構造は大きく2つに分けられるようです。
ひとつは、各要素材料が同じ容器に存在し、酸素と水素が同じ場所で作られるケースです。
欠点は爆発性混合物のためガスの純度を上げないと危険であるということです。
もう一つは、陽極、陰極の二つの分離された電極から成り、
酸素と水素が隔絶されて生成されるタイプです。
欠点はシステムが複雑になり、特性を上げるのが難しい、コスト高などを導くということです。
他にも微細藻類や藍色細菌をうまく使って太陽燃料を作り出す研究も行われています。
主な課題は構成材料が水のなかで腐敗し、信頼性が低いということです。
特に水素生成の触媒は酸素に対して活性で、機能を失ったりします。
また化石燃料に対してまだまだコストが高いというのも課題です。
太陽光発電、風力発電は直接電気エネルギーを作るのに対し、
人口光合成は汎用性の高い燃料を直接作れるというのがメリットだと思います。
ガソリン単価が上がると、エネルギー分野はますます多様化に向かうと思うので
人口光合成も一つの重要な技術だと感じます。
(参考)
人工光合成ウィキペディア(英語版)
http://en.wikipedia.org/wiki/Artificial_photosynthesis
