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今しかない瞬間。
誰かと笑えたときとか、すごく綺麗な風景を見られたときとか、そんな景色をバックに思いきり空気を吸い込んだときとか・・・・・・
特別な瞬間に気づくこと。
でも、いつもの景色が突然、特別な瞬間になることもある。
誰のしわざでもない、自然の力。
ちょっと色を落として、お日様の力に頼ってみる。
誰が仕掛けたものでもない、自然の落書き。
ふとした瞬間に気づくこと。
私たちの周りは、ほんとは自然の落書きが溢れている。
午後3時を過ぎるとお日様が消しちゃうから、見に行こう。
ほら、今しかない瞬間。
あの扉を、開くのは今しかない。
「初対面のハート」
滑ってみようか。
割ってみようか。
それとも、撫でてみようか。
初めて出会ったから、どう触れていいのか戸惑う。
つま先で踏み込んでみようか。
もろかったらごめんなさい。
冷たくしないで。
土足ではありませんから。
「天上の春」
鈍くてうすい光が空を包んで、また今日も朝がくる。
どうして2月の朝はすべてが凍てついて見えるのだろう。
小さいころの記憶が寒い朝にリンクする。
冷たい。暗い。白い息。灯油の香り。結露した窓。
通りは凍えるように寒くて、外へ出るのがいやだった。
寒い、寒いと言いながら、自分の影があるところを探して歩く。
影の私と足の裏を合わせて、見上げる東の空。
まるで自分を励ますかのように、あのうすい朝の光を見つめて、気温に耐える。
朝の光が教えてくれること。
天上には春がある。
地上には黒い冬の景色。
そんなはずはないのだけど、こんなに朝の光を求めてしまうのは、空に春の一片を探しているから。
鈍くてうすい光が空を包んで、また今日も朝がくる。
大人になった私も、やっぱり東の空が恋しい。
「道をつくる」
雪に残したしるしを見れば、そこを歩いた人が見える気がする。
私と、あなたと、誰かさんと。
あっちへ行く人、こっちへ来た人。
どこまで続いているのか、どこまで歩いたのか、先を知りたくなる気がする。
まっすぐなのか、急いでいるのか、のんびりなのか、余所見していたのか。
前へ前へのびる。後ろへ後ろへ続いていく。
誰かの通ったところを踏んで、誰も通っていないところへ跡をつけて、隠された道は少しずつ確かな道の姿を現す。
そうか、こうやって人類は道をつくってきたんだ。
多分、山の中でも、草原でも、誰かの残した跡をつないで、道をつくったんだ。
私が歩いて、あなたも歩けば、また道ができる。
道のつくりかた。多分、そんな気がする。

