京都市は京都コンサートホール(左京区)で、1995年の開館以来初の大規模改修に乗り出す。西日本最大級のパイプオルガンの全面点検などを行い、施設全体の長寿命化を図る内容で、設計から完成まで6年ほどの期間が必要になる見通し。工事期間中には1年半余りの長期閉館も伴うという。

 ホールは平安建都1200年を記念して市が建設し、外郭団体の市音楽芸術文化振興財団が運営している。市交響楽団の本拠地でクラシック音楽の公演に使用されている。

 主な改修対象の一つが大ホールにあるパイプオルガン。7155本のパイプを持ち、開館に合わせてオムロン(下京区)から寄贈を受けた。市によると、20年ほどで全面点検を行うのが通例だが、30年近く経過しており、分解してパイプの状態などを確認し、耐震措置も施す。

 さらに舞台設備や電気設備、つり天井も更新を進め、音響などの維持を図る。客席の1~3階を行き来できるエレベーターの新設や女性トイレの増設も行い、利便性を向上させる。

 本年度から始める基本設計とその後の実施設計に各1年4カ月、工事に3年4カ月ほどかかるという。工事期間中には1年8カ月ほどの閉館を見込み、その間、市交響楽団の定期演奏会はロームシアター京都(左京区)などでの開催を検討している。市文化芸術企画課は「京都が世界に誇るクラシック音楽の殿堂を維持継承していきたい」としている。

 基本設計の経費は2億900万円を見込み、そのうち3900万円を本年度補正予算案(5月市議会で審議中)に計上した。全額一般財源で賄う。