ブログのカテゴリーに
「閉塞する五感」
を設けてあります。
途中からの方は、最初から読まれることをお勧めします。

「閉塞する五感・13」
副題「分裂→再構築→破壊」

Nちゃんへ
う~ん・・・なるほど・・・
アートの最先端のお話、非常に興味が持てましたし、面白いです。
その文章力も含め流石だと思います。

分解→再構築
これは、所謂、キュピズムの概念ですね。
僕が小石川植物園、その閉塞の地の中に三年通い撮り続けていると、五感が麻痺してくることに気がつきました。
また、その土地の特殊性から時間の感覚が狂ってもきます。
その麻痺や狂いを僕は打破したかった。
その一つの手立てがキュピズムであると僕は判断しました。
そこで僕が発表したのが
「カオスの季(とき)」
写真展です。

写真とキュピズムの関係を語る上では
「デイビット・ホックニー」
がまず最初に上げられると思いますが、もう一人(これは僕の独断と偏見もあるとは思うのですが)
「やなぎみわ」
も上げられると思います。
この辺に関しては、お話する機会があった時にするとして・・・
この写真展を開く時に僕が意識したアーティストは、この二人なのです。

この二人の発想や手法を用いて僕は写真展を開き、自分の麻痺や狂いを調整、打破(したつもり)しました。
打破の先に見えたのが、昨年の写真展
「閉塞の磁場」
なのです。
それはキュピズムの先にある、得体の知れぬ恐ろしいモノでもありました。
個人的に言うならばそれは、マナ識(個人的無意識)の領域であります。
そして現在僕は、その先の展開を模索していました。
「閉塞する五感」
にこだわるのも、その為です。

今月15日に僕が書いた
「閉塞は進化を促し、閉塞からの開放は更なる進化を促す・・・」
それは非常に曖昧な表現であり概念でありましたが、Nちゃんの文章にありました
「分裂→再構築→破壊」
この概念に同調するように僕は感じています。
加えるならば
「分裂(開放)→再構築→破壊→閉塞→分裂」
この輪廻のようなモノが精神であり、俗な言い方をすればアートなのかも知れませんね。
また、これはアラヤ識(阿頼耶識・集団的無意識)に接触する部分なのかも知れませんね・・・

凄いですね・・・
メカや技術の最先端よりも、アートが一歩先に進んでいる事を認識させられました。
脱帽です・・・笑

続く・・・

南雲賢

カオスの季(とき)写真展にあたり

一昨年末より毎月数度、小石川植物園に通い続け、撮影を行った。
計画中だった「フォトナ」サイト制作にあたり、ベースになる多くの草花の写真を、手に入れたかったのだ。

季節のリズムに合わせ、草木は芽を出し、花を咲かせ、実を付け、そして、やがて朽ちていく。
撮影を重ねていくと、そこには混沌とした景色、矛盾した生命のリズムが見えてくる。
花は蕾の時からすでに、実に成る覚悟をしている。
花は咲き誇りながら、枯れ落ちる準備をしているのだ。
葉が枯れるのは、自らが望んで枯れるのではない。
新しい息吹が、葉を追い遣るのだ。
光輝く新緑の、何と容赦ないことよ!

波の様に時間が重なり合い、重なり合って、自己再生を行う生物。
枯れ、倒れ、腐っていく草を押しのけ、新たな生命が誕生する。
それが輪廻のように、永遠に続く世界。

小石川植物園という囲いの中で、その光景を見、写真に焼き付けた。

「生」とは、尊く、眩く輝き、そして残酷だ。
「死」とは、あまりにも哀しく、深く深く美しい。

フォトグラファー南雲賢のブログ
「カオスの季(とき)写真展」より 小石川植物園

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