のこのしま歩き 〜福岡市・能古島〜 | 旅するカメラ

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ココの所のガソリン高騰のアオリを受けて車での遠出を躊躇してしまう今日この頃。
福岡市から市営渡船でわずか10分で行く事の出来る「非日常」。
それが博多湾の真ん中に浮かぶ福岡市西区の「能古島(のこのしま)」。

目的地のこのしま


姪の浜の通称「能古渡船場」、正式名称「姪浜旅客待合所」横の駐車場に車を停めて
朝8時半のフェリーに乗り込む。



デッキの椅子をキープして写真を撮ろうとした時、能古島へ戻ると言う島の方に声をかけられた。
「気さくなおばさまだな~。」と思っていたらどうやらその方も写真を撮るらしい。
フェリーの中で色々と能古島での写真のお勧めポイント等を教えてもらった。
こんなふれあいもまた楽し。


話をしたり、写真を撮っている間にフェリーは能古島へ到着。
わずか10分。さすがに近い。

着岸



が、島に着くと海の色が変わる。空の色も違う(気がする)。
そして何よりも自分の気持ちが変わる。
ゆったりとした時間が流れるからだろうか?


島の一番北側にある「のこのしまアイランドパーク」へ行くバスが少し待てば来たのだが、
時間はたっぷりあることだし、急ぐ必要も無いし、無謀にも歩いてみることにした。

おばちゃん



海沿いの道から角をまがった所で早くも坂道が始まる。
一瞬たじろいだが歩いて行くとすぐに後ろから来たバスに追い越された。

バスに追い越される
「しまった・・・。」と思ったけれどもう遅い。
次のバスは1時間後。。。
もうこれは歩いて登るしか無いのだ。


廃屋?


犬小屋?


中腹




能古中学校を過ぎた頃から坂道が更に急になり登るのが辛くなる。

能古中学校


しかも、水を持たず来てしまったことにようやくここで気付いた。
晴れた8月の日。いくら午前中とは言え暑い、暑すぎる。
へたすると脱水症状起こして倒れそう・・・。
地図をみるともう少し進んだ所に「展望台」があるようなので
そこまで行けばきっと自動販売機ぐらいあるはずだと思い、
引き返そうかどうしようか迷ったあげく前進することに決めた。


が、

やっとこさ登って来た展望台入り口を見て愕然。

展望台付近


これはその辺りの山城クラスの荒廃ぶりではないか。
すでに数メートル先から草で覆われている。
どう考えてもこれは展望台には自動販売機等は期待出来そうに無い。。

展望台への道
と言う事でスルー。

展望台からの眺めは次回訪れた時のお楽しみと言う事で。



で、更に歩く。

さらに歩く


この辺りで上り坂は終了したらしく平坦な道になり少し楽になった。
まわりにも民家が見え始めたが相変わらず自販機は無い。
うう・・・。


ほとんど自販機を求めて歩いている様なへんてこな感じになってきてしまったのが自分でもおかしい。


次のバス停は「教会前」。
確かに協会があるのだがやはり自販機は無い(笑)

教会前



なんだろ、これ。
ほとんど修行のような感じになってきたよ。
と言うか、水もってこなかった自分が本当にバカだと思ったりして。夏なのに・・・。

でも、夏の空が青くて奇麗で・・・
どことなく南国風な木々を眺めながらの散策は楽しい。

柑橘系?


緑と青



とか水を求めて歩いているうちアイランドパーク付近まで来てしまった。
渡船場から約3.3キロ。
登り阪が多いのでもっと遠く感じた気がするけれど。
なんならアイランドパークへ行けば確実に自販機はあるだろうけれど
夏場はあまり花が咲いていないようだったのでやめてみた。
ここまで来たのにw


今まではずっと島の真ん中を歩いて来たのでほとんど海が見えなかったので
帰り道は海沿いを通る事に。

さっきまであんなに自販機の事しか考えられなかった筈なのに
目の前に広がる青い海と空を目にしたとたんそんなことが吹き飛んでしまった。

海!
やっぱり海を見ると浮かれてしまう。



ずっと博多湾は「黒い」と思っていたのに能古島で見る海は本当に青かった。

すぐ下に広がる海水浴場のヤシの木を見ていると、南の島へ来たような錯覚さえする。
福岡市内(能古島も福岡市だけど)からわずかフェリーで10分しか離れていないとは思えない程だ。
熱さを忘れしばし写真を撮り続ける。

南の島


夏


水色



ここから先はずっと下り坂。
日陰が少なくて暑かったけれど比較的楽に降りて来る事が出来た。
そして目の前には砂浜。
その海の先には福岡市のビル群。(福岡ヤフードーム、福岡タワー・・・)

ラッキー


海


青い



すぐ近くに「能古島夢珈琲園」を発見。
やっと飲む事が出来たアイスコーヒーがどれだけ美味しかった事か・・・・

のこのしま 珈琲


味わって飲みたかったけれどほとんど一気飲みw
でも、このアイスコーヒーで生き返った。感謝・・・!

のこのしま 珈琲





珈琲園は亜熱帯植物園も兼ねていてブーゲンビリアやスターフルーツ、
その他色々な花が咲いていて写真を撮るのも楽しい♪

のこのしま スターフルーツ のこのしま スターフルーツ


のこのしま 花


もちろんここで珈琲を栽培していて、赤い実がたくさんついていた。

珈琲の実 珈琲の木



珈琲園を後にして海沿いを歩いて渡船所へと戻って来た。
さすがに疲れ果ててしまったので目の前にある「ノコニコカフェ」で「ノコリータ」を注文。

ノコリータ


能古島特産の甘夏風味のサイダーなのだが、ラベルがなんともかわいい。
ノコリータ自体もすっきりとした甘さで夏の暑い日によく合う。
また、このカフェ自体も可愛い。
「ゆる~い」島の時間がこのカフェの中はより一層「ゆる~く」流れているようだ。



ここでぼんやりフェリーが出るまでの時間過ごすのが最高の贅沢な時間。



と、思ったがせっかくだからその先にある「檀一雄旧宅」まで行ってみる事に。

「火宅の人」で有名な檀一雄さんが晩年を過ごした家。
今は誰も住んでいないのでボロボロになっていたが、オレンジ色の屋根など
どこか南国の香りのするノスタルジックな建物に何故か惹かれる。

檀一雄旧宅


檀一雄旧宅

何も無いと言えば何も無いのだが・・・。
山城と同じで雰囲気を味わう事が出来ればそれだけで私は満足なのだ。



再び渡船場まで戻って来てお土産を買って(買いすぎたw)フェリーに乗り込む。

乗船



本当ならみんな、ゆっくりとする為に能古島へ行くんだろうな。。
何故に能古島でこんなに歩き回ったのか多少不思議ではあるが
車やバスでみんなが通り過ぎてしまう風景をゆっくりと味わう事が出来たので
ある意味贅沢な時間を過ごす事ができたのではないかと思う、そんな一日。

さよなら能古島