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2017年の秋、近所の商店街でくじ引きをやっていました。

実は、この手の引きが俺はとてもよくて、細かく、地道に当たるのです。抽選券があったのでガラガラと回してみたら、四つ葉のクローバー栽培セットなるものが当選しました。鉢と土と種のセットです。

 

 

うーん、めんどくさい。いらねえ、、、と一瞬連れに上げてしまおうかと思いましたが、ふと、90歳になるお袋が喜ぶのではないかと考えて、持っておくことにしました。

 

同じ年、晩秋。正月明けまでお袋と過ごすために帰省しました。毎回お袋や彼女によくしてくれる人たちに沢山の土産を買って帰るのですが、なんとお袋は四つ葉のクローバー栽培セットを見て歓喜したのでした。何でも週1回のデイケアサービスの玄関先に高確率で四つ葉が出るクローバーが有ったそうなのですが、ケアにくる高齢者たちに株分けをしているうちにクローバーが無くなってしまったのだそうです。

 

てか、むしり過ぎ、、、?皆さん円満なお年寄りに見えるのですが、四つ葉が出るばっかりに命をむしられてしまったクローバー。まるで『幸福な王子』のようです。そんなストーリーがあったばかりだったので、「当たった」と無造作に栽培セットを放り投げる息子を見て、高齢のお袋はなにかしら感じるものがあったようでした。

 

「それで、お袋も四つ葉をもらったのか?」

「ううん。欲しかったけど欲しいと言わなかった

無くなってしまって随分悲しい気分になったわ」

 

さて、栽培セットなんだから種からまかなきゃいけないわけですが、アマゾンのレビューを見ると「枯れた」方がたくさんいらして、クローバーて雑草かと思っていた俺としては、覚悟を決めて、12月の真冬に種をまきました。

 

種をまくと言ってもその種たるや芥子粒の四分の一くらい。それがほんの僅かばかり入っているだけなので、くしゃみをしたらもう最後。鼻息だけでも飛んでいきそうです。そんな小さな種からどんな芽が出ると思いますか?針より細い芽ですよ!そろそろ老眼がヤバい俺がやっと見えるくらい。水遣りも細かい霧吹きで小ぬか雨がしとしと降るかのようにあげないと、芽が水で倒れてしまい、即、枯れてしまうのです。

それに気づいたときはもう遅く、10個程度出た芽がすべてお亡くなりになりました。ここまで種まきから2週間が経過。

 

さあ大変!幸い、お袋の老眼では枯れたことすら到底見えないので、全滅したことにまだ気づいていません。

世間は年末に向かって一番多忙な頃、俺はこっそりとアマゾンで四つ葉のクローバー栽培セットを注文したのでした。

しかし寒い!しばらく太陽も見ていません。こんな時期に種をまくってどうよ?てか、なんで俺がこんなことをやらなきゃいけないはめになったのか。

「はああ、あ」と深いため息をついて種をまく俺。なんだかできの悪いエロ小説みたいですね。

 

さて、もう失敗は許されないので、鉢を自分の部屋に持ち込んでヒーターの前に置き、温風が直接当たらないように毎日ラップをかけて、時には鉢を電気毛布を入れたベッドで抱いてたらついうたた寝をしたりしながら年を越してしまった。

 

年も明けてそろそろ俺は東京へ帰る日が迫るころ。こっそり植え直してから約三週間、針のような芽の先がやっと双葉になりました!その双葉の大きさが芥子の実くらいなので、どんだけ繊細なんだよ、全く。

 

「またすぐ帰ってくるからさ、今生の別れじゃないからさ、元気でいろよ」

 

何度この言葉を繰り返したことか。人生って出会いと別れの繰り返しというけれど、本当だなあ。年を取るとちょっときついねえ。

 

「あなたも元気でね。あたしは今が一番幸せよ。クローバーに水をやるわ」

 

さて、四つ葉のクローバーの意味は最初の葉は『希望』、2枚目は『信じられること』(信仰)、3枚目は『愛』、そして4枚目はそれらを見つけることができる『幸運』だそうです。『信じられること』とはまどろっこしいですが英語では『FAITH』です。信仰心とも訳されますが、これは宗教に於いて、神はすべて知っている全能者なわけですから、自分の嘘は通用しないので、神に対峙する自分には嘘がないのです。これを『FAITH』と呼びます。親密な関係(恋人同士、夫婦間、親友など)に於いては、「お互いを裏切らない関係」という意味になります。

 

じゃーーーん!

 

俺が最後に見た芥子粒のような双葉は5か月後の今、こんなになっちゃった!すげえなあ。お袋よくやった!

そして四つ葉がちゃんとあるではないですか。

 

皆さん、待ち受けにするとグッドラックだそうですよ。俺が真冬に抱いて寝て、91歳になったお袋がよたよたしながら毎日水をやったクローバー。なんだか愛おしくなってきました。

 

これを見た皆さまに、きっときっと、いいことがありますように