私が夜勤明けでA男が休みだった場合、仕事終わりに病院まで迎えに来てくれたり帰宅した時に遊びに行くことがあった。

付き合い当初は私も若かったので元気に遊び回れていたが年数が経つにつれ明けで遊び回る体力も尽きてきた。

助手席に座りおしゃべりしながらドライブを楽しんでいても寝てしまうことが多々あった。


A男

「寝やんといてや」

「ごめんよ。太陽が眩しくて目つぶってたら寝てしもてたよ…」

付き合ってすぐくらいはすぐ謝っていた。

免許を持ってないので運転したことがないので運転してて隣で寝られてたら嫌なんやなと思いめちゃくちゃ反省してた。

何回か寝てしまい

A男に

「そんな眩しかったらグラサンとか買えばいいやん」

と言われ買って使ってみた。

逆効果だった。

目の前が暗くなってさらに寝てしまった。

夜勤明けでそのまま遊びに行くなんて20代後半にもなるときつかった。

それも急変が起こり仮眠もろくに取れない職場なら尚更だった。

数年も経つと助手席で寝ることに何も言われなくなった。


別日

めちゃくちゃ忙しかった夜勤明けで帰宅しA男が帰宅するまで気づかないまま爆睡していた。

A男に起こされ

「ご飯は?」

と聞かれた。

「ごめん。今起きたからご飯食べにいく?」

と言うた。

A男

「しゃあないな」

と言われご飯を食べに行った。

帰宅後

A男

「なんでずっと寝てるん?夜勤明けなんて休みみたいなもんやん」

と言われた。

「A男は夜勤したことあんの?」

A男

「俺はないけど」

「うちはA男がビール飲んでいびきかいて寝てる時間はバタバタ走り回って患者さんの命守ってるけど?起きるのは11時すぎでいつもより遅いけど洗濯とか掃除とかせめて1日分だけのアイロンもしてから14時半くらいに家出て帰ってくるのが11時くらい。昨日の夜勤は同時に患者さん亡くなって仮眠時間もゼロやったけど?それやのに休みみたいなもんか。昨日の夕方から今日の昼前までこんな働いて休みみたいなもんか。夜勤したこともない人にそんなこと言われるなんてねー。だいたい定時で終わって満員電車も経験なくて車で楽って言うてるんやもんなー。夜中働くしんどさ分からんねやろなー」

と一気に捲し立ててしまった。

A男

「えっ…いや…」

と謝罪もなく風呂に入って上がったらすぐにベッドで寝ていた。

その日は同じベッドに寝るのが嫌で翌日にしようと思っていたアイロンを全て終わらせてからソファで寝た。


別日

知り合いに頼まれて週2日、訪問看護のバイトをすることになった。

夜勤明けの午後から訪問看護をして次の日の休みも訪問看護をするというさらに休みが減った。

それでも訪問看護が楽しくてしんどかったけど苦痛にはならなかった。

訪問看護をする前は休みが週2日だったが週1日になった。

1日休みの日は全て家事になった。

自分のしたいことは数時間あれば良い方だった。

家事の中で1番アイロンが苦痛だった。

自分の服にアイロンすることがないから。


ある日

A男

「あのマンション買おうか。」

と言われた。

「なんで?」

A男

「あそこ便利やしここより駅近やしな。これからも一緒に住むやろ?」

「え?親になんて言うん?結婚するってこと?」

わけわからんかった。

A男

「それはマンション買って挨拶に行くつもりやった」

初耳だった。

「買ってから挨拶なん?普通逆ちゃうん?」

ほんとにわからなくなった。

プロポーズもされてないしマンション買う?意味がわからない。


数週間後

1人の在宅でアイロン中

「マンション買うか…このままアイロンする人生か…子ども産まれて育てても1人でするかもしれんし…感謝も謝罪もないなんとも思われへん人生か…嫌すぎるな‼︎こんなん無料の家政婦やん‼︎あかん‼︎うち今訪看好きになってきたしこのままあのマンションに行くとまたさらに遠くなる‼︎自分の時間を楽しみたい‼︎別居ならまだしも一緒には住まれへん。うちは家事に向いてない!!」

と感情が溢れ出してきた。


その日A男が帰宅し鍋を食べながら話をした。

「うちはもうしんどい。このまま一緒に住まれへん。無理。あのマンションとか無理やわ。別居するか別れるかどっちかがいい」

と伝えた。

A男は鍋を食べながら静かに話を聞いていた。

A男

「今までの旅行とかは楽しくなかった?」

「旅行とかはめちゃくちゃ楽しかったよ。でも家事をしても感謝すらされへん。特にアイロン。うちはA男のためだけにアイロンしてたのに…しんどいんよ。夜勤明けは休みって言われるのも嫌や。」

A男

「そうか。別れるしかないか」

「引越しはすぐ見つけるから。ちょっと待っててほしい」

A男

「わかった」


A男と付き合って約8年。

気づくのにだいぶ時間がかかった。

別れはあっさりだった。


引越し日に

A男から

「プーは幸せになれるよ」

と言われた。

私はその言葉は呪いの言葉やと思っている。

その8年で幸せにしてよ!!と思った。


今は私は出汁の取り方もわかるし大抵の料理はできるようになった。

アイロンもないし自分のために掃除してご飯作ることが楽しい。

誰かのためにすることは余計プレッシャーがかかるからしんどくなるんかな…A男との同棲以降誰とも付き合っていない。

1人の楽さが私には合っているような気がする。


ほんとに時間はかかったが別れて良かったと思っている。


長くなりましたが終わります。


次回

予定未定です