元国税調査官が明かす「消費増税」利権に巣食う悪党!
日刊大衆 / 2019年6月16日 6時0分


「消費税の増税は本来、必要ありません」

 こう言うのは元国税調査官の大村大次郎氏。『消費税という巨大権益』(ビジネス社)を上梓し、消費増税で潤う奴らを糾弾している。

「本丸は財務省です。各省庁の予算を精査し、予算を配分するのが彼らですが、大きなお金を動かすと、必然的に大きな権力が生じます。その権力を維持するためにも、安定税収が必要なんです」(前同)

 それに最適なのが、消費税だというのだ。

「所得税や法人税は政治家の都合で簡単に引き下げられてしまうのに対し、消費税は一度導入すれば、後は上げるだけですから」(同)

 こうした利権目当てに、麻生太郎財務相も、今回こそは消費増税延期を全力で阻止する構えだ。

 そもそも政府は、少子高齢化に伴う社会保障費の増大を補うために、消費増税が必要と喧伝しているがこれこそ大ウソだという。

「まず財政赤字が増えた最大の要因は社会保障費のせいではなく、バブル崩壊以降、狂ったように公共事業を行った結果です。一年当たり63兆円で、これに対し社会保障費は15兆円ほど。

 また、消費税は社会保障のために導入されたというのもウソで、消費税導入や増税と同時に、法人税と所得税が下げられてきた経緯があります」(同)

 この30年で法人税と所得税あわせて、税収は14.7兆円減少。対する現在の消費税による税収は17.6兆円で、その差額はわずか3兆円ほどだ。

■税収の大半はどこへ行く?
「消費税の税収の大半は、大企業と高額納税者の優遇に使われたんです」(同)

 今回の消費増税で、安倍政権は待機児童問題の解決を目玉政策としているが、「3000億円もあれば足りますし、消費税の税収から法人税・所得税の減収分を差し引いた3兆円から十分、捻出できます」(同)

 待機児童問題は“目くらまし”に使われているだけ。

 そこに厚労省も便乗して予確保を享受しているのだ。そして、財務省とともに消費増税を主導して来たのが経団連こと日本経済団体連合会だと指摘する。

「消費税を上げて法人税を下げよ、というのが経団連の本音。実際、1988年まで43.3%だった法人税は2018年には23.2%と半減しています」(同)

 経団連は大手企業を中心に作られた組織。大企業だけが得をする主張をするのは当然だろう。

「経団連の連中の大半は自社の大株主ですが、株の配当所得の税金もこの間、大幅に下げられ、二重に儲かっています」(同)

 また、この経団連加盟企業の中で、最も消費増税を推したのが、経団連幹部を多数輩出している大手自動車メーカーだという。

「10月の消費税増税と同時に、自動車税の引き下げが決まっています」(同)

 その見返りに、安倍晋三首相率いる自民党への献金額は、日本自動車工業会が1位のほか、日産やホンダも大口献金企業として名を連ねている。

 さらに輸出比率が高い自動車メーカーは、消費税の“戻し税”という制度でも利益を享受しているという。

「消費税は国内で消費されたものだけにかかります。しかし、輸出用の商品にも製造段階の材料費には消費税がかかっているので、それを還付する制度です。

 ですが、実際には力の強い発注元に対し、下請け企業は製造部品価格に消費税を転嫁できないのが実態です。ゆえに、戻し税分を輸出企業は丸儲けしていることになります」(同)

 戻し税で儲けているのは大手自動車メーカーだけではなく、商社では三井物産がトップで867億円、その他メーカーではソニーが最多で642億円である(12年3月期)。

 6月17日に発売される『週刊大衆』では、消費増税の裏で甘い汁を吸う団体に、さらに言及している。