”土日の2日間で、睡眠の質も量も犠牲にすることなく、【日本三大古湯】で足を伸ばし、日曜日のお昼ご飯を自宅で食べることができる。”


あんなことこんなこと、いっぱいあっても叶えてくれる魔法のポッケ。

その正体は、フェリーという乗り物です。





餃子を食べるときには、ビールを飲むべきであるように。

巨乳の女の子は、ニットを着るべきであるように。

ゲレンデには、広瀬香美の歌を流すべきであるように。

自転車旅行の目的地周辺に港があるなら、フェリーに乗るべきです。





 サイクリストがフェリーを使うべきである理由は次の2点です。



【時間】




 自転車乗りがフェリーに乗るべき最大の理由は、時間の有効活用ができるという点です。

特に、夜行フェリーは、僕たちが眠っている時間に目的地へと移動します。



【横になってゆっくり寝る】 【海を隔てた目的地へと移動する】


この二つのアクションを、同時並行(パラレル)で行うことができるため、フェリーを使わない場合と比べて、体感時間に圧倒的に差が出ます。

パーマンのコピーロボットが手に入って、睡眠と移動を分担して処理しているかのような気分になるほどです。




 また、無理のないサイクルで活動を開始することができるので、現地ではフルパワーを発揮することができます。


8時間ぐっすり眠って、朝日の差し込む朝風呂にのんびり入り、入念なストレッチを終えた後に自転車に乗る。
フェリーならば、可能です。


ベストコンディションでの活動時間をしっかり確保することができることで、休日体感時間が延長します。


ゆとりのあるスケジュールや、たくさんの睡眠からは、どんな坂にも挑んでみようかという気力や、回り道をしてみようという好奇心が生まれてきます。


どんなご馳走でも、満腹であれば食指が伸びないことと同じで、コンディションが悪ければ、どんなにいいサイクリングコースでも、コンディションが悪ければ、苦痛を感じてしまいます。


換言すれば、コンディションが良ければ、素晴らしい走路を、素晴らしい思い出として一生の宝物にすることができます。




 眠って、起きたら、とんでもない距離を移動している。
どこかで聞いたことのある出来事だと思ったら、SF小説に出てくる、コールドスリープとそっくりではありませんか!

ハヤカワ文庫の中にしか存在しない、オーバーテクノロジーのように考えていましたが、フェリーと自転車を使えば、コールドスリープは疑似体験することができるのです。


 土日の体感時間の延長、ベストコンディションでの活動時間、コールドスリープの疑似体験。
これが、フェリーに乗ることによって得られる、時間的なメリットです。




値段




 サイクリストはお金に対して非常にシビアです。

大好きな自転車や、そのパーツに、湯水のようにお金を使うため、無駄遣いはどんどん削られていきます。

速さのために、他のすべてを脱ぎ捨てる進化を辿ったロードバイクと同じように、自転車に関わるもの以外の出費は、極限まで減らされていく傾向にあり、その財布の紐は、アルミよりも、カーボンよりも、クロムモリブデン鋼よりも硬いのです。




 大阪から愛媛への夜行フェリーの乗船料金は、片道8,640円です。
(二等寝台、自転車積み込み、片道の料金)


8,640円は、決して小銭ではありませんが、しかしそれでも安いのです。

その理由は、宿泊費と移動費との抱き合わせの値段だからです。

マクドナルドで、ハンバーガーとポテトとジュースを、それぞれ単品で購入するよりも、セットを購入する方が安く買うことができるのと同じです。


移動も宿泊も、それぞれにはもっと安いものがあるでしょう。
しかし、その両方を一度に、それも安く済ませることができる。

これが、フェリーを使うべきである理由の二つ目です。



 



 ”土日の2日間で、睡眠の質も量も犠牲にすることなく、【日本三大古湯】で足を伸ばし、日曜日のお昼ご飯を自宅で食べることができる。”


ピザの生地みたいに、時間を引き伸ばす方法、それはフェリーに乗ることなのです。




続く