隙間です

苦しくても

哀しくても

孤独でも

僕は 君に囁きたい

隙間より

心の隙間

           くちづけ

眠りたかったのだろう  静かに眠りたかったのだろう

空調の音だけが耳に聞こえる だれもいない最終の大阪行きの新幹線

手と手を触れ合いながら 僕らは同じ”過去”を運んでいた

なぜか ふたりとも 窓に見える流れる夜の景色は眼で見ようとしなかった

あまりにも 言葉に追いつめられ 胸の中のカラータイマーが鳴る寸前だった

昔 童話で読んだ 眠り姫のような 君の寝顔が優しすぎて 涙が溢れた 

ずっと ずっと 僕がそばにいるから もっと もっと 君を受け止めるから

そして 安らぎを求めるために 君に本当のくちづけをした




泣きたかったのだろう  おもいっきり 泣きたかったのだろう

タバコの自動販売機の前で 黒いベレー帽のうつむいた君

過去と過去が残酷すぎて 僕らは ”理由”もなく 繋がりあった

信じれば 信じるほど 哀しくなり どうしても 人に流されるまま人生だった 

自分の想っていたことと 裏腹に ”言葉”だけが ひとり歩きをしていた

平日の上野公園で撮った 僕らの未来の影 空が祝福してるようで 笑顔が零れた

ずっと ずっと 僕がそばにいるから もっと もっと 君を受け止めるから

そして 人生の空白を 改めるために また 二人は 手をつなぎ始めた



詩:隙間



心の隙間

隙間です

まだ 伝えたいことがあるんだ

隙間より


true

                虹愛

君の目の優しさがとても悲しくて 無言のままで僕をずっと見ていたね

ホコリかぶった時計の針の音だけが聞こえるだけの薄暗い部屋だった

考えると ベットの上の君はいつも いつも 恥ずかしそうにしていたね

交じり合い 君の脈を体中に感じて 一夜だったけど 心底から愛したね

君の吐息が僕の耳元でささやいて 君の横顔が僕には愛おしくて

君の体のぬくもりが身に沁みて なおさら 僕は君に愛情をあげたね

だけど もう 僕の前には君はいない  君の前にも僕はいないから

だから 元気を出そうよ ずっと 君を想っているから






君の香水の匂いがずっと忘れられなくて 交差点でフッと後ろを振り返るよ

部屋には取り残された十字架が置いてあり 蛍光灯の輝きでいつも泣いていた

考えると 鏡に映る君はずっと ずっと寂しそうに笑っていたね

唇を触れ合い 君の目を見ながらカーテンの隙間から光が射すまで愛し続けたね

君の濡れた髪の毛が揺れ 君の手のひらが僕には愛おしくて

君の透明な背中が身に沁みて なおさら 僕は君に笑顔をあげたね

だけど もう 僕の前には君はいない 君の前にも僕はいないから

だから 勇気を出そうよ これが二人の人生だから



詩:隙間

隙間です

青山墓地にあるベンチに座り 空を見てた

時間なんか過ぎることも 忘れてね

これでいいんだと うなづいていた

幸せに なれ と

隙間より

true

                     1ピース


ゆっくりと ゆっくりと 冷たいコンクリートの上で君たちは重なり合っていたね

秋晴れた 平日の路地裏で 君たちは紅色のジグソーパズルに変わっている

とても 日差しが頬を 強く突き刺し 僕の影が 画の中で遊んでいる

この世界では 不公平という事が感じられない すべてが平等なのだ

もう 枯葉とは呼ばないよ もう君たちは幸せの葉なのだから

君たちに Smooth Smile   君に Only Smooth Smile

そして 隣にいる君を抱きしめた そして ずっと 君の事を感じていた

僕の胸に残った 最後のワンピース いつか はめることができるのであれば




とても とても 透き通るような輝かしい目でずっと 僕を見ていたね

夕暮れの公園で 君と上手に片方ずつはめた 毛糸の手袋を想いだす

君の小さな 手のひらを握りしめ だれもいない 神宮の歩道を歩いた

今 君の世界は幸せかい。。 まだまだ 僕は こちらで精いっぱい生きてるよ

もう 死ぬなんて言わないよ もう僕は 一人じゃないのだから

君たちに Smooth Smile   君に Only Smooth Smile

そして 乾いた葉をつかんだ そして ずっと 幸せの誓いを遠い太陽に告げた

足元に落ちていく 最後のワンピース あの時に はめることができていれば



詩:隙間