隙間ですしっぽフリフリ

東京の300坪の家から

月4万5千円のトタンの一軒家に変わってしまった 老夫婦

学生の頃に毎日 作ってくれた 隙間の好きな目玉焼きとハム

いつもように あなた達は 隙間を笑顔で迎えてくれた

あなたのお腹から生まれた 隙間

いま なにを感じていますか

そして ずっと また 生きていてください そして また 笑顔をください

足が悪いのに 路地の先まででてきてくれて 本当にありがとう

僕が見えなくなるまで 手を振ってくれた母親

いつまでも 元気でいてください

隙間が助けてやるから

隙間よりカチンコカチンコ

true

           公園

透き通る 青空の下で 公園で遊ぶ子供を見ていた

カン高い笑い声とそれを優しく見守る 老人

陽があたらない 冷たいすべり台で一人 夢中になっている

鳩に餌をあげている老人 足元がおぼつかない子供が階段で転んでいた 

抱きついて 泣き叫んでいた でも 老人は ただ 笑ってた

しがみついてきた 空高く 

抱きあげた    空高く 

そこを見てる 小さい僕がいた




紅色の夕暮れの下で 僕はベンチに座っていた

薄暗い電灯の光とそこにたたずむ 孤独な少年

木枯らしが舞い 遠くに救急車のサイレンの音が聞こえる 

ランドセルを背負っている少年 砂ほこりになりながらチョークで一人 遊んでいた

ジャレついて 友達と笑いたかった でも 公園には だれもいなかった

しがみつきたかった 胸強く 

抱きつきたかった  胸強く

陽が暮れる 夕焼けが怖かった 




                            詩:隙間