
隙間です

ウエステインに行く 歩く歩道にいた

僕の右側をスーパーカーのように追い抜いていく男の人

わからんが寒いのか、脚を止めることができないらしい
揺れる男の胸ポケットから あいたままの1箱のタバコが落ちた
見向きもしない また現れる 欧州のスーパーカー

胸の感触がなくなった男の人が タバコを探している

僕は、 あいたままのタバコをひろい
男の人に手渡した
僕に”言葉”発したが
中国語なのか なんなのか よくわからん
僕は ありがとうの意味で 男の人の肩を”ポン ポン”と2回 叩いた
男の人は、なぜか たばこを吸わない 僕に 1本 たばこをくれた
タバコの吸い方も知らない そして ライターからタバコにひをつけようとしている男の人
震えながら 僕は 男の人から ドラマのような 二本の指で タバコに火をつけてもらった
男の人は、笑顔を見せながら 片言の日本語で”ありがと”っていって 去って行った
なぜか その男の人の笑顔がたまらなく
そして 小学校以来 親父のたばこをくすねて 吸っていらい タバコをすった
とても ひといきが”おいしかった”
ただ 吸い方がわからんので、喉まで吸うのか
胃まで ”ごはんのように”煙をすうのか
吸いかたが わからなかった
隙間より

にらめっこの隙間
電車の窓ガラスで ガラスに映っている 僕とにらめっこをしてみた
薄暗い 僕がジッとこちらを見ている
ガラスの向こうの景色が ゆるやかなに流れている
微笑を浮かべてみる 彼も微笑みをやり返した 眉毛を動かした 真似された
隣にいる 本を読んでいる 女の子が横目で不思議そうに僕を見ている
揺れながら 揺れながら
足の裏にズンズンと体の芯に浸透するような電車の振動を受けながら 僕は笑っていた
親子連れの子供 座っている子供もいっしょに窓ガラスの相手とにらめっこをしてみた
ガラスの向こうの人も増えたみたいだ 喜怒哀楽の顔がよく見えている
面白い 実に面白い
窓の外の踏み切りで待ちぼうけをしている女子高生が笑っていた
恥ずかしかったよ なにが勝ち負けなのか どうでもいい
そこの場所だけ 幸せを感じた
揺れながら 揺れながら
僕は夕焼けがあたった 煙りあがる工場を見てた
詩:隙間