
にらめっこの隙間
電車の窓ガラスで ガラスに映っている 僕とにらめっこをしてみた
薄暗い 僕がジッとこちらを見ている
ガラスの向こうの景色が ゆるやかなに流れている
微笑を浮かべてみる 彼も微笑みをやり返した 眉毛を動かした 真似された
隣にいる 本を読んでいる 女の子が横目で不思議そうに僕を見ている
揺れながら 揺れながら
足の裏にズンズンと体の芯に浸透するような電車の振動を受けながら 僕は笑っていた
親子連れの子供 座っている子供もいっしょに窓ガラスの相手とにらめっこをしてみた
ガラスの向こうの人も増えたみたいだ 喜怒哀楽の顔がよく見えている
面白い 実に面白い
窓の外の踏み切りで待ちぼうけをしている女子高生が笑っていた
恥ずかしかったよ なにが勝ち負けなのか どうでもいい
そこの場所だけ 幸せを感じた
揺れながら 揺れながら
僕は夕焼けがあたった 煙りあがる工場を見てた
詩:隙間
北海道の某人さん
ありがとう