口笛


金網をよじ登っていた 建築中のマンションに入っていた

明かりもない 屋上の給水塔で 東京の空を見てた

星座も 何もしらない 空を見て 僕が笑ってた

口笛を吹きながら   

友達と夢を語ってた

覚えたての 口笛を吹きながら 

終電電車の優しい光を見てた



警備員が追っかけてきた 取り付け前の消火器の下で隠れていた

真っ暗な階段を星の光だけをたよりに 二段降りで笑って逃げていた

右左も 知らない エントランスを見て  警備員があきらめていた

口笛を吹きながら

寒い駐車場で焚き火をしてた

覚えたての 口笛を吹きながら

現実の星のない夜空を見あげていた




                     詩:隙間目目目目