今日は、前回に引き続き、健康な赤ちゃんを産むために、
妊活(妊娠準備)をはじめようと思った時にぜひ、しておきたい検査についてお話したいと思います。
≪ 妊娠前にしておきたい検査一覧 ≫
まず、感染症検査(クラミジア、淋病、梅毒)について
採血で結果がわかり、パートナーの方も一緒に検査して頂くことが重要です。(ピンポン感染:お互いにうつしあう する可能性があるので、見つかった場合は同時に治療することが大切です)
≪ クラミジア ≫
・日本で一番多い性感染症(STD)。
・若い(16~25歳)の男女の6%前後感染しているといわれている。
・自覚症状に乏しい(男性:排尿痛、女性:おりもの増加)
・長期間潜伏した場合は、卵管がくっついて不妊の原因となる
・ 産道感染で新生児にも感染する
・治療はパートナーと一緒に抗生物質の内服
≪ 淋病 ≫
・クラミジアについで、第2位性感染症
・クラミジアを持っている人の20~30%の人は淋菌も合併
・男性患者が多い(症状有のため、排尿痛、排膿など)
・女性は陰部が痒かったり、悪臭を伴うおりものの増加だが、男性に比べると自覚症状が乏しく気が付かないことも多い
・腹膜炎やPID(骨盤内感染症)起こすと癒着して不妊や異所性妊娠の原因となる
・ 産道感染で新生児にも感染する
・治療はパートナーと一緒に抗生物質の内服
≪ 梅毒 ≫
・2015年以降感染者が急増(男性:20~50代、女性20代)
・HIV感染との合併が増加
・皮膚症状(陰茎に結節や皮膚にばら疹(紅斑)などが初期にみられる。
・胎盤を通して胎児にも感染する(早産、死産、胎児水腫)
→胎盤形成前(18週)に抗生物質の投与
≪ 乳がん、子宮頸がん ≫
早期発見、治療がとても大切になってきます。特に、子宮頸がんに関しては症状が見られず、日本での検診率が30%前後と非常に悪いこともあり、妊娠中に発覚することもあります。自治体で助成している場合も多いのでぜひ、受けてみてください。
≪ 血圧、尿たんぱく、糖尿病 ≫
血圧や尿タンパクによって、高血圧や糖尿病を調べることが
でき、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクに対して、早めの対応をとることができます。
特に、妊娠糖尿病は、妊娠中他のホルモンの働きにより、インスリン(血糖を下げるホルモン)の分泌量が低下し、血糖が上がりやすくなります。妊娠糖尿病なのか、それとも糖尿病をもとからもっていた上での妊娠なのか、の判別に役立ちます。
≪ 甲状腺機能異常 ≫
女:男=9:1と女性特有の疾患で、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や甲状腺機能低下症(橋本病)などの病気があり、これらは不妊の原因になることがあり、産婦人科医ではなく、しっかりと内分泌専門医の元、コントロールする必要があります。
→当院では、内分泌専門医の先生もいらっしゃいます。
こうした検査を妊活をはじめる時にしておくことは、健康な赤ちゃんを産むためはもちろん、ご自身に不妊になる要因がないかどうかを調べるスクリーニング(自覚症状に乏しく、検査をしないとわからない項目も多いため)の役目も果たします。
また、なにか異常が見つかった場合は、原因の治療や、早めに不妊治療へのステップアップが子供を授かるための最短の道になることが多々ありますので、ぜひ、早い段階で一度調べてみるのもいいかと思います。
当院では、
どちらでも検査が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
(どちらかというと、本院 メディカルクリニックの婦人科分野かと思います。)