幻視技術を調べてたら、検索に引っかかった。光遺伝学研究の真の目的は?
未来予想図スタンフォード大学チームの次の挑戦は、特定の画像を感知するニューロンが、どのように視覚情報の意味を解釈する脳領域と接続しているかを調べることだろう。「私たちはまだ、上っ面をなでただけなのです」とDeisserothは言う。
Deisserothらが考案した技術では、脳の過熱リスクを減らすために、暗い赤色のパルス光に感受性を持つ一連のタンパク質を用いる。彼らは、このタンパク質群を使って、自分たちや他の研究者が、色や形など他の視覚的因子や、音や触覚といった別のタイプの感覚入力の知覚に関連するニューロンの機能を調べられるようになることを望んでいる。
当面、光遺伝学をヒトに使用することは時期尚早だが、ヒトの脳を刺激して感覚を補う他の方法に関する研究が進行中である。2019年6月に、セカンドサイト社(Second Sight;米国カリフォルニア州ロサンゼルス)が、視覚野に植え込まれた電極を使用して、視覚障害者の視覚をいくらか回復させる装置の初期臨床試験結果を発表した。
電極は、被験者の目の近くに装着したカメラから収集された情報に応答して脳を刺激する。6人の被験者において、このシステムによって黒いスクリーン上の白い正方形が見えるところまで視覚が回復した。同社は、この装置を改良し、将来、より複雑な視覚情報を直接脳に送ることで視覚を回復させたいと考えている。
翻訳:古川奈々子