S矢の世界には、当然のことながら神様が登場しております。なので、これまた当然のごとく神殿も出てくるわけです。
 で、ギリシャ建築と呼ばれるこれらの神殿の造りには特徴がありまして、造られた時期によって天井の高さと柱の太さや豪華さが違ってきます。


 色々調べてみたところ、神殿の円柱はオーダーと呼ばれ、3つの種類がありました。

・重厚なドリス式
・優雅なイオニア式
・繊細華麗なコリント式

 それぞれは、特徴的な柱頭と装飾細部を持っていたそうです。

※画像お借りしてます

 この中で、聖域やコロナ神殿の柱を元に照らし合わせてみます。


 S矢の中に出てくる神殿の類いはシンプルで、柱身に溝彫りのある描写が多いですね。原作もちょろっと見てみたのですが、大半の柱はシンプルなものでした。 上記の円柱形式の中で一番シンプルなのはドリス式です。上記の3種はギリシャ建築でのオーダー、ローマ建築ではその他に2種のオーダーがあります。
 ローマ建築の円柱形式であるトスカナ式は、ドリス式よりシンプルで、溝彫りのあるドリス式と違って溝彫りはなく、柱間も広いのですが、ローマ建築は紀元前6世紀頃から4世紀までに形成されたそうなので、聖域が造られた頃に逆輸入とかなかったのかな(笑)。


 パルテノン神殿がドリス式の代表的作品らしいので、恐らく聖域はドリス式ではないかと思われます。
 余談ですが、紀元前七世紀以前の神殿は木造で、前六世紀には石造りの神殿が出来ていたそうなので、聖域が造られたのはそれ以降はないかと。


 そうなると、石造りのコロナ神殿を見る限り、アベル様は前六世紀までは生きてらしたのかなぁ。わたしの中で「数千年」というと、三千年くらいのイメージがあるので、辻褄は合います(笑)。あとは、デュカリオンの大洪水の時期次第ですね・・( ´△`)
 ディグニティ・ヒル自体、どのように造られたのかも謎です。当時の人間達が、抹殺される前のアベル様を崇めて作ったにしても、時間かかる工事だろうなあ、たぶん(笑)。