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今日、ご来店頂いたご婦人に
「先週の今日お目にかかったのは、ひょっとしてお母様じゃなかったかと思うんですが…」と言いかけると
「先生!やっぱり!
母が言っていました!」と上ずった声。
「あの日、母が興奮して帰って来て、
とても素敵な着物の人に会ったのよ!
私、ご迷惑と思ったけど、話しかけちゃったのよ!
すごく、すごく笑顔が素敵なひとだったのよ!
と言っていたんです。
母はだんだん認知がひどくなって、
止めても歩き回るんですが
他人様に話しかけることはありません。
私が川崎から引き上げてきた数年前は
『いまだ薬局さんで、お父さんが具合が悪くなった頃、すごくお世話になった。
若いのに、とても親切なご夫婦だった』とか言っていたのに、
最近はその話を振っても思い出せなくなったようで…
ただ、『今田さんの一家は、みんな頭がいい』とだけ言っていたんです。」
「それは光栄です。」と私は相づちを打ちながら、
先日出会った同じく90歳の紳士に
同じようなことを言っていただいたことを思い返していた。
認知になったら、直近の記憶ほど失われやすくなる。
だから、きっとお二人は、お若い頃のイメージで今田家を語ってくださっているのだろう。
それにしても、先週の水曜日、私と出会ったことを
直後に覚えておられて、娘さんに報告をして、
一週間たってもまだ、覚えておられて
繰り返し語っておられると思うと
着物や、踊りや、身だしなみをきちんとすることが
人を幸せにすることもあるのだなと思った。