医療従事者や入院患者、相次ぐ結核発病-数百人規模の接触者検診も

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140207-00000003-cbn-soci


医療介護CBニュース 2月7日(金)13時27分配信


 医療機関の医師や看護師、入院患者が結核を発病するケースが相次いでいる。長崎県佐世保市は今月5日、同市内の精神科医療機関で患者8人が結核を発病したと発表。昨年1年間だけでも、大学病院など少なくとも6施設で、医師や看護師の結核発病が判明。罹患した医師らに接触して検診対象となる患者が、数百人に上るケースもあった。国内では「排除された」と思われがちだが、日本の結核罹患率は欧米諸国に比べて高く、「罹患者ゼロ」の達成が困難視されているのが実情だ。【新井哉】

■佐世保市の医療機関、入院患者ら集団感染か

 佐世保市のケースでは、医療機関の病棟で集団感染が発生した可能性が高いとみられている。同市によると、昨年5月に50歳代の女性入院患者が発病。昨年12月から今年1月下旬にかけて、他の入院患者7人の発病が確認された。発病者と接触した可能性のある入院患者や職員、面会者ら約150人を検診したところ、検査で患者ら52人から陽性反応が出たという。

 感染が疑われる患者らには、今後、治療薬の投与や経過観察などを行う予定。発病者との最終接触から一定程度の時間が経っていないため、検査ができなかった患者らがいたことから、今後も対象者の検診などを行う方針だ。

■大学病院の医師ら発病、接触患者の検診も

 かつては国民病とまで呼ばれた結核。国内では「排除された」と思われがちだが、医師や看護師の発病も相次いでいるのが実情だ。罹患した医師らに接触して検診対象となる患者が、数百人に上るケースもある。

 昨年1年間、大学病院など少なくとも6施設で、医療関係者の結核事案が判明。国立病院機構千葉医療センターでは看護師4人が結核を発病。京都府立医科大附属病院と近畿大医学部附属病院でそれぞれ医師1人、滋賀医科大医学部附属病院と佐賀市立富士大和温泉病院でもそれぞれ看護師1人が結核と診断された。

 いずれも接触の可能性が高い患者を、検診対象者に選定。患者に事情を説明するなどの対応に追われた。昨年10月に静岡県伊東市内の医師が肺結核と診断されたケースでは、約400人の患者を対象にした接触者検診を実施。幸い、発病者は1人もいなかったという。

■日本の罹患率は米国の5倍超、「早期発見が重要」

 日本の結核罹患率(2011年)は人口10万人当たり17.7人で、米国(3.4人)の5倍超。カナダ(4.0人)やオーストラリア(5.4人)、英国(13.0人)を上回っている。今回、患者の集団感染が発生した佐世保市でも、毎年60人から70人の新規患者が発生しているという。

 同市は「結核は、発病してもきちんと薬を飲むことで治療できる。早めに発見することが重要」と指摘。定期的に胸部レントゲン検診を受けることや、気がかりな症状があった場合は、医療機関を受診することを勧めている。