<中国>鳥インフル再燃 1月だけで感染120人超
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140202-00000012-mai-cn
毎日新聞 2月2日(日)11時41分配信
◇市場を閉鎖 業者は反発
【上海・隅俊之】中国で昨春、感染者が拡大した鳥インフルエンザ(H7N9型)の流行が今年に入って再燃している。感染者は1月だけで120人超と昨シーズンとほぼ同じペースで増え続けている。中国は多くの人々が移動する春節(旧正月)の休暇中で、各地の当局は昨シーズンに続き、ニワトリなど家きん類の売買を禁止する措置を相次いで出している。春節期間中の対策が拡大防止のカギとなりそうだ。
上海市は30日、市内全域で家きん類を販売している市場をすべて閉鎖した。浦東新区にある農産物卸売市場の家きん類を扱う区域は封印がされ、消毒された。上海紙によると、ウイルスは養鶏場からは検出されず、市内の市場から検出された。専門家は「冷凍品を流通させ、市場を永久に閉鎖すべきだ」と指摘する。
ただ、中国では品質や信頼性の問題から、生きたニワトリなどを目の前で処理してもらうのが一般的だ。特に親族が集まる春節の食卓にはトリ料理が欠かせず、需要が高い。上海紙によると、北部の普陀区では人目につかない午前3時~同6時の間だけ開かれる闇市場の存在が発覚。当局が取り締まり、ニワトリなど約3000羽を押収した。
昨シーズンは市場の閉鎖直後から新たな感染者が激減しており、閉鎖は一定の効果がありそうだ。ただ、「買える場所がなくなれば、闇業者は必ず出てくる」(普陀区政府関係者)のが実情。また、浙江省政府は市場を今年7月以降、永久閉鎖することを決めたが、業者から強い反発が起きているという。家きん業界の損失は200億元(約3400億円)に上っている。
「ヒトからヒト」感染警戒を継続
H7N9型は昨年3月末に上海市などで世界で初めてヒトへの感染が確認された。夏にはいったん終息したが、秋以降に感染例が散発的に報告され、今年に入って急増。1月の中国本土と香港も合わせた感染者数は129人で、うち26人が死亡した。浙江省60人、広東省35人と突出している。昨年春から1月末までの感染者は中国本土、台湾、香港で278人、うち75人が死亡している。
浙江省の発表は死者数が突然増えるなど情報がまちまちで、実際の死者数が多い可能性もある。国家衛生・計画出産委員会は「限定的で非持続的なヒトからヒトへの感染の可能性は排除しない」としている。浙江省では一家3人が感染するなど家族間での感染が疑われる事例も出ている。
上海市で感染した外科医が死亡したことを受け、天津や深センなどで「地元でも医者が感染して死亡した」とのデマが広まるなど社会不安も高まっている。一方で、ヒトからヒトへ次々と感染する「持続的」な例は見つかっておらず、「パンデミック(世界的大流行)」の兆候は見られない。中国当局は「必要以上に心配しないで」と落ち着いた対応を求めている。