たまには本業について述べたいと思います。


このクズブログにはなかなかたどり着かないと思いますが

もし迷っている方て1人でもみていただけたら参考にして欲しい。


長文なので後半だけでもOKです。


そもそもなぜこんなに騒がれているか少し整理してみたいと思います。


まずポリオについて。

ポリオは急性灰白髄炎という病気であり予防接種においては

その病気にかからないために接種しています。

症状は麻痺、いわゆる小児麻痺といわれるもの。


幸い日本ではワクチンが導入されてから

野生株、つまり自然に感染した例がなくなりました。

日本からポリオはなくなったといってもいいということです。

それだけポリオワクチンの効果はすごいのです。


ただ、不幸なことに日本ではこのワクチンを接種したことによって

小児麻痺が起こる例が年間1件あるかないかというところで発生しています。

だいたい割合は100万件に1件発生しているみたいです。

予防するために予防接種しているのに

予防接種をしたためにその病気になってしまった、

本末転倒ですね。


それが今問題になっています。


ワクチンには2種類のワクチンが有り(正確には3種類)

「生ワクチン」、「不活化ワクチン」とあります。


・生ワクチン

毒性を弱めたウイルスなどを使用しています。

そのため免疫獲得力が強く獲得期間も長いのですが

副反応が起こる可能性が高くなります。

例)ポリオ、麻疹風疹混合ワクチン、おたふくなど


・不活化ワクチン

死んだウイルスを使用しています。

したがって生ワクチンより免疫獲得効果が低くなりますし、

接種回数が多くなります。

しかし副反応は生ワクチンと比べ置きにくいといわれています。

例)インフルエンザ、日本脳炎、A型肝炎など


上記より考えると日本の現行のポリオは生ワクチンであるために、

副反応が起こりやすくポリオ接種したことによって、

小児麻痺が起こってしまうということがあるのです。


つまりそんなリスクありえないから生ワクチンから不活化ワクチンに変えろ

ということでごもっともだと思います。

不活化ワクチンに変えるとそういったことは起こりません。


ちなみに諸外国はどうかというと先進国はほぼ100%不活化ワクチンです。

生ワクチンを使っている国は日本のほかに南アフリカとか

いわゆる開発途上国といわれている国がほとんどです。


そういった面からも日本の予防接種行政は遅れているといわざるを得ません。

ただお国フォローするわけではありませんが、

以前に不活化ワクチンが開発されていた動きもあったのは事実です。

でもあまり抗体がつかないということでぼつになり今に至っているみたいです。

もちろんお国の天下りとか役所体質も影響していると思います。


またポリオ生ワクチンにはもう1つ問題があります。

普通予防接種というのは注射で体に接種しますが、

このワクチンだけ特殊で口からシロップみたいなものを飲ませます。

小腸で吸収させて抗体をつけさせるというちょっと変わったワクチンです。

そのことによって便にも一ヶ月くらいポリオが出てくるために、

赤ちゃんの便処理に神経を使わなくてはいけません。

もしポリオの抗体がない人がその便に触れると、

ポリオにかかってしまう危険性が有り特に保育園などの集団生活においては

かなり神経つかわないといけません。


そういった面からも絶対不活化にしないといけませんし、

早く国は進めて欲しいのですが平成24年の終わりくらいに導入される予定みたいです。

あと一年後くらいですね。


コレだけ読むと生ワクチンなんてありえない、

不活化をうつべきだし、打ちたいと思われる方も多いでしょう。


では、生ワクチンではなく不活化をうつにはどうしたらいいのか。


先に述べたように日本では生ワクチンを使用していますが、

これは予防接種法に基づいて市町村が主体となり実施しています。

市町村が主体ということは基本的に無料で接種できます。

重大な病気だし予防接種で予防してくださいね

みたいな感じで接種をオススメしてこられます。

市町村では誰がどのワクチンを打ったか把握しており、

あまりにも打っていないと勧奨の電話なりがあるとこもあるでしょう。


一方不活化ワクチンは国内で承認されていないので

輸入されたワクチンを打つことになります。

各医療機関が独自で輸入し独自で価格設定をしています。

不活化を打ちたいと思われたら取り扱いをしている病院を探して

そこに問い合わせをして接種することになります。

価格は病院によってまちまちですが1回当たり6,000~8,000円くらいで

4回接種する必要が有ります。約2,3万円というところでしょうか。

ちなみに生ワクチンは2回接種でOKです。


さてさていよいよ本題ですが結局どうしたらいいのってことですが、

結論から言うと現状のままであれば

「生ワクチンを接種すべき」

ということになるでしょう。


先に言っておきますが当然不活化のほうがいいに決まっています。

予防接種したのにその病気になるなんてありえないので。


理由はいくつかありますが

1、生ワクチンを打ってポリオになる確率はきわめて低い。

まずポリオを打ったことによってポリオになる確率は100万分の1です。

年間全国で1人出るか出ないか。

宝くじで一等が当たる確率よりはやや高いですがゼロに近いといえます。

もちろん被害者の方の気持ちを察すると胸は痛みますが、

周りにポリオに感染した人はいますか?

100万分の1はゼロではありませんが今まで仕事をしてきて、

副反応が出たというケースは当然一件もありません。


2、不活化ワクチンの保障はなし。

これが一番大きな理由です。

今の生ワクチンは予防接種法に基づく予防接種ということで、

実質接種料は無料になっていますし万が一ポリオを接種して麻痺が起こった場合、

国から保証金が払われます。

当然お金を払ったらいいという問題ではありませんが、

不活化ワクチンを接種して副反応が出た場合国の保障は出ません。


ここしっかり認識してくださいね。


不活化ワクチンは安全みたいな雰囲気が有って

もちろんポリオワクチン接種による麻痺はおこりませんが、

その他重篤な副反応は起こる可能性はあります。


神奈川県が先人切って輸入を始めたそうですが、

サインをしないといけない書類の文言に

「何かあっても神奈川県を訴えません」

みたいな文言が含まれているようです。

つまり何かが起こる可能性があるということを示唆しています。

責任を接種者と接種医に押し付けているということです。


以下が神奈川県のHPから引用したものです。

不活化ポリオワクチンは、国内では承認されたワクチンではありません。

そのため、接種後、重篤な副反応が起こった場合であっても、

定期の予防接種である生ポリオワクチンのような公的な補償制度はありません。

また、国内承認薬であれば対象となる独立行政法人医薬品医療機器総合機構法の補償も適用されません。


後半のほうに記載されていました。

まずこの事実を伝えたうえで保護者に決めていただくべきです。


もちろん何度も言っていますが不活化に切り替えるべきだと思います。

しかし法律上、安心面も含めやはり生ワクチンを接種すべきだと思います。


熟考の上不活化を選ばれた場合もちろんそれも選択肢のひとつです。

このことを認識した上で接種するのと麻痺が起こるから生は危険だけで

接種するのはあまりいただけません。


ぜひ参考にしていただけたらと思います。