第一話 被爆者の霊 | 多頭飼いの勧め

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一つ前の『夏の夜を涼しくしてあげる♥』をまだ読んでなかったら

意味不明だと思いますので、お手数ですが未読の方はそちらを先に読んでくださいね^^  

それでは第一話の始まりです。




私が高校2年生の時の話です。

私立高校のお友達は、やれ北海道だ沖縄だと言ってたりもしたけど

都立高校だった私たちの修学旅行先は『京都・広島』でした。

中学3年の修学旅行の定番『京都・奈良』に毛が生えた程度・・・(--;)

それなのに、事前学習しまくりで・・・

戦争のような悲惨なことは、今後二度と繰り返さないようにって伝える為でしょうか?

戦争の事、原爆の事、被爆者の事、授業で色々勉強させられて

研究発表のようなことまでやったと思う。

もう修学旅行に行く前から、すっかり原爆固めにされてました!

(ちなみに原爆固めって別名ジャーマンスープレックスホールドっていうプロレス技ね^^;)


実際に、広島に行って原爆ドームや資料館見て回って、

確か被爆者の話なんかも聞かせてもらったと思います。

それからスライドも見せられたんですが・・・

スライドを映すので、当然会場は暗くなりますよね。

不謹慎なんですが、前の晩京都の旅館で夜中までおしゃべりしていたせいか

あちこちからいびきが聞こえ始めたんです。

私も何となくうつらうつらし始めて、居眠りしちゃったんですが・・・


会場のイスに座って居眠りしながら、金縛りにあってしまったんです。

すぐ横に友達の手があるのに、「助けて」って指1本動かすことができませんでした。

周りに400人くらいの同級生が一緒だったので、そんなに怖くは無かったんですけど。



その日の午後だったのか、翌日だったのか覚えてないんですけど、

自由時間がありまして、みんな思い思いに広島の町を散策に出掛けたんですけど

私とあけみちゃん(覚えてます?あの、おっ○い全開の!)は

京都での自由時間に門限破って起こられて、広島では外出禁止になっちゃってたの(>_<。)


広島の旅館で、二人っきりでお留守番・・・時々先生が覗きに来てたけど。

する事無いから昼寝するでしょ?!

二人並んで畳みにゴロンって寝っころがって、あーだこーだ喋ってるうちに

うとうと、うとうと・・・


って、ここでもまた金縛りにあっちゃったの。

隣であけみの寝息が聞こえてるんだけど、動けない~(>_<。)

でも昼間でね、窓から陽射しが入り込んでて、雑魚寝してる畳が日なたと日陰と

2色になってるのを、動かないまま薄目で見てたの。

昼間の金縛りってあんまり怖くないよね^^

でもって、夜は金縛りにあわずに、無事に修学旅行から帰って来たんだよ(爆




だけどね、その夜から・・・

毎晩金縛りにあうようになっちゃったの。

夜中にただ身体が動かなくなるの。しばらくするとふっと楽になるんだけど・・・

金縛りって科学で解明されているんですよね。

脳が覚醒してるのに、身体が疲れて動かない状態の時なのだそうです。

だから、私修学旅行でどんだけ疲れたのかしら?なんて思ってて・・・


あえて夜中時計は見なかったんです。毎晩同じ時間だったら怖いから。

そのただ動けない金縛りが1週間近く続いたんですよ。



その夜、いつものように身体が動かなくなって、

あ、また金縛りだって思って目を開けたら

その夜はいつもと違ってました。。。


私のお腹の上に、防災頭巾を被った女の子が腹ばいになっていたんです(>_<。)

その女の子の防災頭巾と背中からは、炎がメラメラ出ていて・・・

私の上で匍匐前進をするように、私の胸をかきむしりながら

「熱いよ~熱いよ~」って言っているんです。




それで私怖くて怖くて、すぐに目をつぶって

『南妙法蓮華経・南無阿弥陀仏・アーメン迷わず成仏してください!』って

心の中で何度も唱えました。

(無宗教なので、いつもこうして唱えてました^^;)




その間にも、私の頭の上から「幸子ー!幸子ー!」って女の人の叫ぶ声が聞こえます。

「ゆきこ」だったと思うんだけど、もしかしたら「さちこ」だったかも知れないの。

名前は良く覚えてないんだけど、心をかきむしられるような悲痛な叫び声でした。


それで私

もう戦争は終わったからね! 平和な世の中になったからね!

もう熱くないから大丈夫だよ! 早く天国に行って楽になってね!


というようなことを、心の中で必死に語りかけたんです。


しばらくして、ふっと私の身体が軽くなって、金縛りが解け、女の子の姿も消えていました。


その時は、女の子が可哀想とかいう気持ちではなくって

恐怖心から、何とか離れてもらいたいと必死だった気がします。

「ああ、被爆者の霊連れて来ちゃった・・・」って怖くって

その夜はもう眠れませんでした。


翌日学校に行って、いつもなら変なことがあったりすると

「昨日白衣を来た男の人が、後ろ向きで私のベッドに座っててさぁ」

とかって友達に話したりするんだけど、

怖すぎて、何年もの間、誰にも話すことは出来ませんでした。


翌日も寝るの怖かったけど、あの夜以来、連続してた金縛りにあうこともなくなりました。


なぜ1週間近く毎晩金縛りにあって、なぜ最後の夜に姿を見せて消えたのかは

判りませんが、あの女の子の魂が、成仏できてるといいなぁって思っています。



今現在、この時間にも世界のどこかで戦争は起こっています。

平和な地球になりますように☆