ということで、Michael Kanellos 氏の書いたコラム、携帯ビデオがパッとしない7つの理由に興味を持って、、逆の視点から見ると何がみえるだろうかと、、かなり強引な話を書いてみたのだが、総合すると、そうですね、やはりMichael Kanellos 氏の主張に軍配を上げるべきだろう。

それも大差で氏の勝ちである。結局、何に尽きるかというと、iPod で映画を見ることができても、さほどインパクトがないのだ。少し昔ならともかく、今は携帯電話でTVを観ることができる時代なのだ。となると、このアプローチに求められるのは、うわっと飛びつくような新しい機能ではなく、求められるのは実用性ではないかと思うのだ。

ちなみに、個人的にどうしても一番ひっかかるのは、画面サイズである。できればもうちょっと大きな画面で見たいのだ。音楽には画面というものがない。ウォークマンから始まった、アウトドアで音楽を聴こうという流れが支持された一つの理由がそこにある。どこで聴いても、音楽は音楽なのだ。もちろん、ヘッドホンで聴くという制約は、本物のオーディオマニアにとっては、かなり大きな制限になるかもしれない。しかし、それは映画を大画面で見る、というのと本質的に違った意味を持つ。強引にあてはめるとしたら、小さな画面で映画を見るというのは、音質がよくないオーディオプレーヤーを100円のヘッドホンで聴くようなものなのだ。

携帯でゲームをしている人は、極小画面に慣れていたりするかもしれない。知らない人は一度見てみると驚くと思う。携帯の画面の解像度は向上しつつあるが、画面サイズはそれほど大きくなっていない。つまり、画像が細かくなっているのである。そういう画面に慣れていたら、小さな画面で映像を見ることに、さほど抵抗がないかもしれない。

実は、私もそういう慣れを持つ人間の一人かもしれない。ノートパソコンでDVDを観ることが結構あるからだ。私の使っているノートパソコンは、多分、SXGA+ といわれているような画面を持っている。1400x1050 ドットの情報が画面に表示されるのだが、この画面を最初に見た人はよく「字が小さい」と文句を言う。もちろんフォントのサイズにも左右されるが、15インチにこのドット数を詰め込むと、かなり小さな字になるのである。

このパソコンでDVDを観るときに、全画面モードは使わない。普通に1つのウィンドウとして、ビデオプレイヤーを起動するのだ。640×480ドットとか、その程度の大きさで画面を表示するとすれば、実際の映像サイズは PSP よりも少し大きい程度だと思われる。このサイズは大きさとしては不満なのだが、パソコンで作業しながら、非常に近いところで表示できるという意味がある。iPodをパソコンの横に並べて置いたら、同じような環境になるだろう。

(つづく)