AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展
パナソニック汐留ミュージアムで開催中の「AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲」展を観ました。深澤直人は言わずと知れた現代の日本を代表するプロダクトデザイナーの一人で、国内外のメーカーから沢山の作品を出されています。なんと今回が国内初の個展だそう。
本展覧会タイトルである「Ambient」とは直訳すると「環境」ですが、深澤はこの言葉を「周囲」や「雰囲気」と捉えています。深澤は、環境からものの輪郭を導き出していますが、それはつまり、その環境が要請したもの、そこにあるべきものを生み出すことなのです。そのようにして生み出されたものがその場所に投じられることによって、ものと空間が相互に作用し、はじめて「いい雰囲気」が醸し出されるのです。本展覧会では、その「いい雰囲気」を醸し出すことを実践しています。深澤がデザインした「もの」は、生活の中で使用されることにより、さらにその周囲の空気をもデザインすることになるのです。
(公式HP展覧会概要より)
会場の最初においてあるのが、マルニ木工から販売されている椅子「HIROSHIMA」。Yチェアに比肩するようなスタンダードを目指す、と販売当初語っておられたが、「生活のスタンダードを目指す」ということが深澤さんのものづくりに対するスタンスなのだと思います。
パナソニックから発売されている「モディファイ スフィア」。球形の照明器具を考えた人は、きっとまん丸の物体が発行している状態を創造したに違いない。でもこれまでの製品は口金の部分だけは発光するのが難しかった。その思いを継承しつつ「modify=修正する、(少し)変更する」ことにより定番を作っていく。これもまた深澤直人のデザインの在り方を示しているようです。
B&B Italiaより出されているshelf。人造大理石による薄い板による造形。中央の縦板が僅かに斜めに振れているのが普通さの中にゆらぎを生み出しています。
パナソニックのシステムキッチン「リビングステーション」。人が囲める幸せなキッチン。
無印良品のトースター。商品説明ではなく深澤さんの思いが書かれているのが良かった。
携帯電話などなど。auのinfobarは昔流行ったな〜。
最後にLAMYのボールペン「NOTO」。会場を出てから銀座伊東屋まで歩き、買って帰りました。先日サーキュレーターを購入したときも、いくつかある中から深澤さんがデザインしているプラスマイナスゼロのものを選びました。プロダクトを選ぶ時に家の中に置きたいと思えるもの、置くことで空間と調和するデザインをしなくてはと日々の仕事でモヤモヤした頭の中がすっきりとした気がしました。
デザインの輪郭
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黒川哲志建築設計事務所HP:https://www.kurokawadesign.com