日本建築学会賞(作品)受賞者記念講演会 | 飲・水・思・源・2

日本建築学会賞(作品)受賞者記念講演会

 

 夜、三田の建築会館にて日本建築学会賞(作品)受賞者記念講演会「作品を語る」を聴講。建築学会作品賞は、日本の建築の賞としては最も権威があるものの一つです。今年の受賞者は、小堀哲夫氏の「ROKI Global Innovation Center -ROGIC-」と三分一博志氏の「直島ホール(直島町民会館)」。三分一氏は2011年の犬島アートプロジェクト「精錬所」以来2度目の受賞。

 

 最初に各氏が30分ずつ自作について説明。オフィスビルと公民館的な公共施設という違いはあれど、どちらも大きなワンルームの気積の大きな空間で、どちらも計画地周辺の環境を丁寧に読取り、空気の流れをコントロールして快適な内部環境を生み出す操作を行っており、自然エネルギーを最大限利用することで機械設備の使用を極力小さくすることを目指しています。

 という説明がされつつも、だからこの空間が生まれたのかと言われると違うのではないか、という様な魅力的な内部空間を両者は備えています。写真からの想像でしかありませんが、両者ともワンルームならではの均質性がなく、ROKIは気持ちのよい場所がそこここにあるような散文的な構成に大きな屋根を架けているような空間であり、直島ホールは大きな屋根が守ってくれているような、審査員である千葉学氏の言葉によると「カテドラルのような」空間が感じられました。

「環境」という言葉を設備的な意味のみでなくより広い意味で考える必要が有ることを再認識させてもらった講演会でした。

 

黒川哲志建築設計事務所HP:https://www.kurokawadesign.com