もしも時空を越えて
古代ギリシアの哲学者
ソクラテスに会えたなら
聞いてみたい。
死を知らないから死を恐れることもない。
無知の知を貫くソクラテス。
あなたは立派だ。
そしてそれは最後まで揺るぎないものでした。
しかし聞きたい。
私は死の世界を知らない。
それは同じように思う。
他界された賢者や偉人たちと
心ゆくまで対話できるのかもしれない。
勿論、あなたとも。
それは、あなたと同様、私にとっても価値あるものになるだろう。
そして幸福を得られるのかもしれない。
しかし、しかしだよ。ソクラテス。
あなたは人々の温もりや笑顔や優しさを
知らないと言うのだろうか。
あなたに生きて欲しいと言ったクリトンの心は。
その愛を。
知を愛したあなたは
そのほかの
温かな愛を
どう捉えていたのだろうか
死の世界を知らないから死を恐れない。
わかるの。とても。
だけど
私は知っているの。
今、私は一人では生きてなどいないということを。
たくさんの愛に包まれているのだということを。
知恵はない。
それ故に学ぶのだ。
知を愛し探究して行くことを辞めるつもりもない。
あなたは言った。
『生きることではなく、よく生きること』だと。
全くその通りである。
Philo sophiaの名の下に
生涯そうでありたいと私も願う。
だけどやっぱり
死は・・・
怖いとは違う。
死の世界を私も知らないから。
だけど
失いたくないモノがある。
大切なものがある。
それ故に生きたいと願う。
大切な人との別れが悲しいと
その愛に触れていたいと
それもまた
あなたは否定するのだろうか。
それは身体を気にして精神を気にしていないことになってしまうのだろうか。
どうもわからない。
大切な人への愛を
私は知っている。
そう思うことは
知ったふりをしているのだろうか。
私の抱くこの温かなものは
愛と呼べるものなのかな。
ソクラテス。
あなたに問いたい。
その時あなたは
どう思ったのか。
