共産主義や社会主義の理論やその活動は、国や時代によって異なり変化するため、厳密な定義や区分があるわけではありません。共産主義と社会主義の定義にはいろいろなものがあります。
政治的立場によって社会主義や共産主義の定義は異なっています。これは、異なる政治的立場や価値観からくる解釈の違いによるものです。このように、社会主義や共産主義の定義は、異なる政治的立場によって大きく異なったまま、それぞれの立場で、自身の価値観や政治的なに基づいて、社会主義や共産主義を定義し、評価・批判する傾向があります。
特に社会主義は多様な理論や派生理論が存在し、その定義も様々です。様々な社会主義の位置づけにおいて共通する主な目標は、経済の公正な管理や福祉の充実、社会的な公正です。市場経済の要素や生産手段の個人による所有は必ずしも否定されません。社会主義では、一部の生産手段が共有され、国家が経済や社会の運営を担当することもあり得ます。
保守派の人々は、一般に伝統的な社会秩序や自由市場経済を最善の制度として重視し、資本主義経済や生産手段の私有を最善の制度とする立場をとっています。保守派にとって、社会主義と共産主義は同じものとみなされ、計画経済に基づく統制や、一党独裁の権力集中、個人の政治的自由や所有権の制約、など、ソ連や中国の悪い面をすべて含むものと見なされています。そのため、彼らの定義では社会主義や共産主義は常に否定的に捉えられています。
一方、社会民主主義的な人々は、共産主義と社会主義を区別し、社会主義は、経済的な不平等や格差の是正、社会福祉の充実といった要素を重視することが多いと思われます。社会民主主義的な人々は、社会主義は必ずしも資本主義生産を否定するわけではなく、その問題点を解消し、社会的な不平等や貧困の解消を目指す政治思想と考えられています。
共産主義を支持する人々は、共産主義の目標は、階級による搾取の廃止、生産手段の共有化、社会的公正の実現などであり、共産主義の理想社会では、生産手段は共有され、個人の生産手段の所有や私的利益追求のための生産はなくなるものとされています。共産主義の立場からは、社会主義社会は共産主義社会に至る過渡的な社会と位置付けられています。共産主義の立場によれば、社会主義社会は資本主義社会から共産主義社会への移行期間であり、共産主義社会を実現するための過程として捉えられます。社会主義社会では、生産手段の共有や経済の公共管理が行われ、階級の廃止や生産手段の共有化が進められて行きます。しかし、この段階ではまだ経済や社会の諸要素の変革が完全には達成されていないものとされます。
具体的な社会変革のプロセスや移行期間の長さについては、マルクス主義者の間でも議論があります。また、社会主義社会が共産主義社会に到達するための過渡的な段階として実現されるかどうかも、歴史的な実践や政治的な状況によって異なる可能性があります。