1982年、あるCMが関心を引いた。「皆様、手が汚れたら洗いますよね。紙で拭く人っていませんわよね。紙じゃとれません。お尻だって同じです。お尻だって洗ってほしい。」 妙に論理的で説得力のあるこのCMを見た後、比較的早い時期に我が家でも温水洗浄便座を使い始めた。非常に気持ちよく、1週間も経つと、温水洗浄のないトイレでは用を足す気にならなくなった。痔もなおってしまった。

 

その後、米国に住むことになり、アパート住まいで、温水洗浄が使えなくなった。米国では2000年代になって一部で販売が始まったが、今でも殆ど普及していない。最初は温水洗浄なしでは、どうも不潔感がとれず、どうしたらいいか色々考えてみた。最終的にたどり着いた方法は、トイレットペーパーで拭いた後で、最後に水で湿らせたティッシュで拭くという方法である。

 

この方法に慣れると、この方が便利で、温水洗浄便座など要らないと思うようになった。温水洗浄便座は結構複雑な構造になっており、下痢で便が飛び散ってノズル付近に付着したりするが、旧式の便座であれば、構造は至ってシンプルなので、掃除もしやすく汚れない。便座ヒーターなども日本ではトイレが寒いので、冬には欲しくなるかもしれないが、米国ではトイレが寒いということはないので、便座の冷たさが気になるほどでもなく、その必要性を感じることもない。日本に行って、温かい便座に座って驚き不思議がるアメリカ人も多い。日本に行ってホテルで滞在するときは、便座ヒーターはOFFにするし、温水洗浄があっても使わない。

 

話は少し変わるが、あるニュース番組で、中国のある公衆トイレの話題があって、そこでは、トイレットペーパーの無駄使いを防ぐために、入口に自動ディスペンサがあって、ひとり1回分80㎝ほど出てくるようになっていた。顔認識機能がついていて、一定時間内に同じ人には1回しか出てこないようになっているとのことで、妙なところでのAI技術の応用が進んでいることに驚いた(余談: 一卵性双生児が一緒にそのトイレに行ったときはどうなるのだろうか少し気になる)。その時のニュースキャスターは、トイレットペーパーが80cmというのは微妙な長さだとコメントしていたが、私も同感だった。

 

それまで自分が何cmで切って何回拭いていたかをあまり意識していなかった。そこで、2枚重ねで10cm間隔でミシン目の入ったトイレットペーパーを幾つに折れば支障なく拭けるかを実験してみた。すると通常は30cmで切って4つ折にして、3回くらい拭いていた。80cmあれば何とかなる長さだと感じた。

 

さらに自宅で日常的にどこまで減らせるかを挑戦してみた。通常の健康状態であれば、便の切れも良く、あまり残っていないので、20cmを3つ折りで1回拭けば、2回目には紙に便が殆ど付かないと分かった。便が水っぽくなければ、20cmで2つ折り1回でも、破れて手に付くようなことはなかった。さらに10cmで2つ折り1回でもぎりぎり可能だった。いずれの場合もその後で、湿らせたティッシュで指先を軽く拭くと、手の不潔感もとれ、同じティッシュでお尻も拭けば、温水洗浄で用を足した時と同じ程度にさっぱりした。ティッシュもさらに減らせば、2枚重ねのティッシュを半分にしても大丈夫だった。

 

結局2枚重ねのトイレットペーパー20cmと水で湿らせたティッシュ半分で、温水洗浄を使ったのとさほど変わらない感じで用が足せることが分かった。これで、トイレットペーパーの買い置きがない時でも慌てる必要がないという自信ができた。また、災害のときにも貴重な紙の節約になるかもしれない。

 

ちなみに、NHKのガッテンだったかで、歯磨きのあと口をゆすがなくてもよいということも言っていたが、これも災害のときにも貴重な水の節約になる。歯磨きを吐き出して、そのあと唾をためてもう一度吐き出すだけで、慣れれば私には問題ない。

 

変な奴と思われたかもしれないが、節約や資源保護の観点で関心のある方は、参考にしていただければ幸いである。