若い人は未来に夢を見ます。夢を見ること自体、悪いことではありません。若い頃には歳を重ねてからではできないエネルギを持っています。中年になるとそのようなエネルギを失う半面、平凡であることの幸せが理解できるようになります。

私がもっとも気になるのは、無気力な人たちです。人生において何事にも一生懸命になれず、しかも人生に不満を抱いている人ほど不幸な人はないと思います。夢を実現するために思い切って何かをやってみるのもよいでしょう。

以前、NHKの連続ドラマの「若葉」で、おばあさんが「人生、生きているだけで丸儲け」と口癖のように言っていました。今の日本では、どう転んでも餓死することはありません。過去の歴史そして、現代なお低開発国において、食べていくだけの幸福にも恵まれない人々が如何に多いことでしょう。食べるに不自由しない幸福に恵まれながら、無気力に生きる人々は、彼等の眼にはどのように写るのでしょう。

人は死んだら名を残すと言われます。しかし、歴史に名を残す人はたくさんいません。多くの人々は、身近な人々しか知らないささやかな人生を送ります。しかし、このような無数の人々が本当に社会を支えているのであり、社会の未来を支えているのです。歴史に名を残す人たちは、時代のシンボルであり、彼らを支えた名もない人々があってこそ名を残したのだと言えます。

製造業であれ、サービス業であれ、ささやかであっても、社会のため、人類の未来のためになる仕事を選ぶことが大切ではないでしょうか。また、立身出世を志して努力することも、それ自体否定されるべきことではありません。ただし、自分達の幸福を自覚することが必要だと思います。また、どのような夢をもつにしても、社会のため、人類の未来のため、という観点からスタートすることが大切だと思います。