◆過密ダイヤとミスに対する懲罰
100名以上もの犠牲者を出した脱線事故のあと、いろいろなことが明らかになってきました。
私鉄との競争のための過密ダイヤや、遅れを出した運転士に課せられる「再教育」と、それに伴い乗務手当が支給されないための実質的減給処分など。「再教育」では、レポート提出だけでなく、草むしりや窓拭き、就業規則書き写しのなどを含むといわれています。これらは安全のための再教育というよりも、幼稚な体罰のように見えます。またミスや事故から、運行管理体制の改善をはかるのではなく、ミスや事故の記録を労務管理に使い、ミスを起こした運転士へのいじめのようなこともあったように言われています。

◆人間のミス
これらは人間はミスをするものであるという視点が抜けているように思われます。列車の運転などにおいては、運転士のミスはあってはならないことは当然ですが、多数の運転士毎日運転しているのですから、ミスがないということはあり得ません。ましてや過密ダイヤという状況の中では、綱渡りのようなものです。ミスが事故につながるということでは、大勢の人々の命を預かっている鉄道としては、失格でしょう。

◆「サービス向上」という粗悪品
競争のために過密ダイヤという無理な状態を押し付け、ミスしなかったら乗務手当、ミスをしたら再教育という懲罰という、飴とむちで運転士の精神力で乗り切ろうということでは、事故が起こるのは当然といえます。無理な過密ダイヤをなくし、運転士が安全運転に専念できる余裕が必要なのではないでしょうか。数分の時間短縮という「サービス向上」のために、見えないところで安全が犠牲にされるのであれば、「サービス向上」とは名ばかりの粗悪品であり、インチキ商法と同じ発想ではないでしょうか。