「学問に王道なし」と言います。どのような学問でも身につけるのは大変な努力を必要とします。学習することにより、知識が身につきます。知識があるということは知っているということで、知識がないということは知らないということです。知っていると知らないは白か黒ですが、実際にはもっとたくさんの段階があると思います。

  例えば英語の単語を覚えることを考えてみましょう。見たことも聞いたこともない単語と、完全にマスターして自由に使える単語までの間には、少なくとも次のような段階が考えられます。見たことがあるようだけれど意味をみても思い出せない単語、確かに見たことがあり、意味を見て思い出せる単語、見ると思い出すが、見ないと思い出せない単語、見なくても何とか思い出せるが、うまく使えない単語などです。

  知識が本物の知識になるまでには、くり返す努力が必要なのは、このような階段を上らなければならないからではないでしょうか。覚える度に忘れているようでも、このような階段を無意識は登っているのです。やっぱり自分はダメだとあきらめてしまうと、本人にさえ知らないところで一生懸命がんばっている無意識ががっかりしそうでかわいそうに思えます。

  ひとつの英単語でさえ、このような階段を登らなければならないのです。さらに単語をひとつ覚えることは、知っている単語がひとつ増えることでしかありません。しかし、それが1000になり、5000になれば、きっと英語が話せるようになります。受精卵を暖め続ければ、ヒナがかえります。これは大きな飛躍です。そしてヒナを育てればさらに成長します。地道な努力は卵を温めることであり、ヒナを育てることではないでしょうか。