愛知医科大学について | 中学入試と医学部入試の道の駅

中学入試と医学部入試の道の駅

小さな子供が健気に全力で取り組む中学入試。将来を掴み取るために必死で闘う医学部入試。予備校で数学を教える私が全力で応援するブログです。

愛知医科大学は、愛知県長久手市にある私立医学部。数学科の指導員からは標準的な問題構成に対して、高評価を得ていることも多い。ただ、16年、17年度は暴れている感がある。

これは関係者から聞いた話だが、15年度入試の問題がやや易しく、満点も出現したため、16.17年度は気合いが入り過ぎてしまったらしい。

17年度にはこの問題が出た。

トランプのうちハートマークの13枚、スペードマークの13枚およびジョーカー1枚の合計27枚を用いてA,B2名でババ抜きをする。

1)ゲームが進んで、Aはハートの1とジョーカーの2枚、Bはスペードの1のみを持っている状態になったとする。Bが先にカードを引くとして、A,Bが勝つ確率をそれぞれP1, Q1とするとき、P1およびQ1を求めよ。

2)3以上13以下の奇数nに対して、Aは1.2.…,nのハートマークとジョーカーの計n+1枚のカード、Bは1.2....nの計n枚のスペードマークのカードを持っているとする。Bが先にカードを引くとしてA,Bが勝つ確率をそれぞれPn,Qnとする。このときに、次の漸化式が成り立つことを示せ。

Qn=(1/n+1)Pn+(n/n+1)Qn-2

3) 1)の結果および2)の漸化式を用いてP13,Q13を求めよ。


この問題、なかなか受験生には難しかったらしい。特に2)が何を言っているのかが分からなかった、という声が多かった。
私も2)の解釈にはちょっと時間がかかった。

さらに、ババ抜きを知らないという生徒もいて、たまげたー。

この問題、1)は簡単な無限等比級数になる。2)は右辺第1項、第2項をそれぞれ何だと解釈できるか。3)は1)2)を使った計算だけである。

つまり、2)だけが難題なのだ。つまり、2)をパスすれば間違いなく他は取れる。2)は証明問題なのだから、3)をやるための種は既に問題の中に書いてある。

私は入試問題指導のときには、いつも言っている。

証明問題の次の問題はカスだから、証明問題が出来なくても取りにいけ。

これは非常に重要な入試戦略。

ちなみに愛知医科大学の問題に関しては、16.17年度を除いては、良問が多く、数学力の選別が正しく出来そうなものである。今後もこういった方向性だと思うので、16.17年度を除いて実戦演習をしてみるとよい。

いくた