逝く | フィラデルフィア ICM 便り

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ソーシャルワーカーの見たアメリカ底辺事情

昨日の朝、オフィスに向かう途中で入ったグループホームのオーナーからの電話。

急きょ、予定を変えて、そのホームに向かいました。


クライアントが亡くなった、との急報でした。


ホームにはすでに、通報を受けて、ポリスオフィサーが一人、派遣されていました。

私のクライアントはシーツで覆われて、自分のベッドに発見された姿のままに寝かされていました。

オフィサーと共に、クライアントの死に顔を確認。

あまり苦しんだ形跡がなかったのが、救いです。

聞くと、朝勤務のスタッフが異変に気付いて、オーナーに連絡したそう。

しばらく後に、もう二人、オフィサーがブルーのボディバッグと共にやって来て、クライアントをバッグに納めて、検死に連れ去っていきました。

享年60才のこのクライアントは重度の統合失調症を患っていて、どんな医者に診てもらうのも拒否し続けてきた人。

このせいもあり、私は何度もこの人の強制入院手続きを行ったもんです。

心臓発作か、卒中か、それともずっと心配していた肺の調子のなれの果てなのか、死因は解剖結果を待つしかありません。

一番辛い仕事は、御家族に訃報を伝えること。

このクライアントの御家族の所在は何年も不明でした。

5ヶ月前に、突然、妹さんから連絡があるまでは。

お母さんのお葬式のために何とかして、兄を見つけたいと、あの手この手で探し出したそうです。

10年前に行方をくらませてから探しても、本人にたどり着くことが出来ずに、年数ばかりが経ったそうです。

私も、電話でこの妹さんとクライアントとの再会を出来るだけ早く実現させましょうね、と話していたのです。

クライアントも 彼女と10年ぶりに電話で話した時は、それは興奮していたっけ。

妹さんの生活事情と、クライアントのメンタルがあまりいい状態ではなかったこともあり、再会は果たせてませんでした。

訃報を伝えた時、彼女は絶句して、

確かなの?

本当に兄なの?

確認したの?

と、何度も聞いてきたのは辛かったです。

ホームに駆けつけた妹さんと、かなりの時間、話をしました。

そして最後に彼女に形見にと、袋に詰めたクライアントの服を手渡しました。

他には何も持ってなかった人です。

このクライアントとは6年ほどのお付き合いでした。

色んなことがあったなぁ。

暴言吐きまくっても、後に落ち着いたら、

キャット ごねんね。

本気で言うたんちゃうから、許してな。

なーんて謝ってくる、オモロイ人でした。

もう、怒鳴る必要ないね。ゆっくり、休んでね。

ご冥福をお祈りします。



でっかいワインを買いました。

今週はかなり荒れ模様のお仕事だったから、週末は安くても美味しいワインで、ちょいとホッコリしよう。